北米で急速に利用者を増やしているAIエージェント「Muse」が、日本でも使えるようになった。Metaは10月23日、Museの国内提供を開始した。メールの送信や旅行の予約などを、利用者に代わって進めるサービスだ。

 Museは9月に北米で先行提供され、米国のApp Storeでランキング首位を獲得するなど話題を集めた。Metaのマーク・ザッカーバーグCEOは10月21日(米国時間)の決算説明会で、米国とカナダで1000万人超がMuseを設定したと明らかにした。北米以外への展開は、日本が初めてとなる。

 筆者も早速試してみた。Slack、Gmail、Googleカレンダー、Facebook Messenger、メルカリ、マネーフォワード MEなど、仕事や生活で使うさまざまなサービスと連携できた。「あれ、今どうなっている?」と尋ねるだけで、接続したサービスの情報をもとに状況を確認でき、スケジュールに応じたリマインドもしてくれる。複数のアプリを行き来して情報を探す手間が減り、かなり便利だと感じた。

Metaが公開したMuseアプリの日本語画面。出典:Meta

Metaが公開した「Muse」アプリの画面(提供:Meta)
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 MuseはiOSとAndroid向けのアプリ、ウェブサイト「muse.ai」で利用できる。多くの基本機能は無料で、有料のサブスクリプションプランも用意する。

 Museの特徴は、質問に答えるだけでなく、利用者に代わって実際に作業を進めることだ。メッセージでやりたいことを伝えると、必要な手順を考え、ブラウザーを開いてフォームに入力するなどの操作を実行する。時間のかかる作業はアプリを閉じた後も続け、状況に変化があったときや、利用者の承認が必要になったときに通知する。

 過去の会話を記憶し、利用者の関心や目標に応じて提案する機能もある。毎回細かく指示しなくても、これまでのやり取りを踏まえて作業を進められるという。

 こうした機能を支えるのが、外部サービスと接続する「コネクター」だ。GmailやGoogleカレンダー、Instagramなどと連携し、メールの管理や予定の調整、保存したコンテンツの活用などに対応する。StripeやShopifyのほか、旅行関連のTrip.com、Agoda、Klookなどとも連携し、買い物や旅行の計画・予約を支援する。

 日本向けには、フリマアプリ「メルカリ」、家計・資産管理サービス「マネーフォワード ME」、チケット販売サービス「チケットぴあ」との連携も進める。Metaは国内サービスとの連携を今後さらに拡大する方針だが、各サービスで利用できる機能の全体像や、今後の拡充時期については明らかにしていない。

 一方、さまざまなサービスに接続して作業を代行するだけに、気になるのがセキュリティだ。Metaによると、Museはメールの送信や商品の購入など、重要な操作を実行する前に利用者本人の承認を求める。また、Muse自体は利用者のパスワードや支払い方法を確認できない仕組みで、実行済みの操作や今後の操作予定も確認できる。

 Museは、利用者ごとに隔離されたクラウド上の専用環境「Muse Secure VM」で動作する。接続したサービスのデータや認証情報もこの環境に保管する。利用者は接続するアプリやアクセスできる範囲を選べるほか、権限の変更や接続解除も可能だ。

 プライバシー面では、Museとの会話をMetaのAIモデルの学習に利用させない設定も用意する。Metaは、利用者の会話や専用環境内のデータを広告システムと共有しないとしている。

 今後は、Museとのやり取りをさらに自然にする機能も導入する。Metaは9月の開発者向けイベント「Meta Connect」で、長時間の会話を続けながら裏で作業を進められる高度な音声モードや、表情豊かなアバター機能「Muse Realtime Avatar」、Muse専用のメールアドレスなどを発表した。これらの機能の日本での提供状況については、別途案内するとしている。

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