広島県西部農業技術指導所によると、8月19日に広島県中部のナシほ場で、キジラミ類と思われる成虫、幼虫及び葉にろう状物質や甘露の付着を確認。これらのサンプルを農林水産省神戸植物防疫所に送付したところ、チュウゴクナシキジラミであると同定された。

広島県内において同虫による被害が確認されたのは、今回が初めて。

同虫は、平成23年に佐賀県で国内初の発生が報告。また、平成24年に山口県で発生が報告されている。

(提供:広島県西部農業技術指導所)

(提供:広島県西部農業技術指導所)

チュウゴクナシキジラミの幼虫は、主に葉の主脈付近で吸汁し、排せつ物(甘露)にすす病が発生するほか、葉の黄化と早期落葉を引き起こす(写真1)。果実への寄生や直接的な被害は確認されていない。なお、果実でも排せつ物が付着した場合にはすす病が発生するため、商品性が低下する。

(提供:広島県西部農業技術指導所)

(提供:広島県西部農業技術指導所)

同種はカメムシ目の昆虫で、季節によって体色及び体の全長などが異なる季節型が確認されている。夏型成虫の体色には青緑色~黄色及び橙色の色彩変異が認められ、全長は2.2~2.8mm程度(写真2)。冬型成虫の体色は黒褐色で、全長は2.8~3.5mm程度。終齢である5齢幼虫は全長1.4~2.0mmで体型はへん平。幼虫の体色は、若齢幼虫は淡黄色だが、齢が進むにつれて夏型幼虫(写真3)は淡緑色~黄色、冬型幼虫(写真4)は黒褐色に変化する。

(提供:広島県西部農業技術指導所)

(提供:広島県西部農業技術指導所)

(提供:広島県西部農業技術指導所)

(提供:広島県西部農業技術指導所)

成虫で越冬し、冬季はナシ樹の樹皮の割れ目などに潜んでいる。越年した雌成虫は2~3月に短果枝基部に産卵し、幼虫は新芽に寄生して吸汁する。4月下旬から夏型成虫が発生し、秋まで繁殖を繰り返す。冬型成虫は10月下旬から現れ、低温下で長期間生存が可能。

同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。

(1) 果そう部や葉に付着する甘露や幼虫が尾部から排出する白いろう状物を目安として、早期発見に努める。

(2) 薬剤散布については、農薬使用基準(使用量、希釈倍数、使用時期、使用回数など)を遵守するとともに、周辺作物への飛散防止対策を徹底する。

(3) 最新の農薬情報は、農林水産省ホームページ「農薬コーナー」の「農薬登録情報提供システム」に記載されている。

【農薬登録情報提供システム】

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