
基準日:2026年8月4日/対象期間:2026年8月
2026年8月のハンガリーフォリント円(HUF/JPY)は、7月までの上昇相場から、急落後の下値を確認する局面へ移っています。基本的には、0.490円を維持する間は0.500〜0.507円への反発余地があるとみ考えていますが、欧州の異常気象と電力問題といった新たな変数も加わり、見通しは複雑化しています。
0.490円を割り込んだ場合は、長期的な下支えが崩れ、0.480円台前半まで調整が広がる可能性に注意が必要です。
想定レンジは0.480〜0.520円、中心レンジは0.490〜0.511円です。
ハンガリーフォリント円8月見通しの考え方|水不足が新たな変数、金融政策、円動向
2026年7月のハンガリーフォリント円(HUF/JPY)は、月中に0.532円まで上昇した後、月末から8月初めにかけて急落し、0.489円まで下値を広げました。8月4日時点では0.497円前後へ戻していますが、7月までの上昇基調はいったん途切れた形です。
8月の見通しを左右する材料は、大きく3つあります。中心となるのは、①欧州の高温と少雨による電力問題、②ハンガリー国立銀行(MNB)が追加利下げに動くかどうか、③円相場の動向の3つです。
なかでも、①はドナウ川の水位低下によってパクシュ原子力発電所の出力が落ちていることもあり、関心を集めやすい材料です。もっとも、8月相場が気候要因だけで決まるわけではありません。電力不足が物価や景気にどこまで影響し、それをMNBが金融政策にどう反映するかが本質です。
まずは、この夏に新しく加わった変数から確認します。
欧州の高温と水不足が波及 ハンガリーの電力供給とフォリント相場への影響
2026年夏は、欧州の広い地域で高温と少雨が続いています。河川の水位低下は物流や農業だけでなく、発電にも影響し始めました。
パクシュ原子力発電所は国内の電力供給を支える重要な施設であり、低稼働が長引けば、不足分を国外からの電力輸入で補う必要が生じます。輸入コストの増加は企業収益や貿易収支を圧迫し、フォリントの重しとなる可能性があります。電力料金の上昇が家計や企業に広がれば、低下してきたインフレ率を再び押し上げる要因にもなります。
もっとも、一時的な出力低下で収まれば、為替への影響は限られます。8月は、気温や降水量そのものよりも、原発の稼働状況と電力輸入の増加が実体経済にどこまで波及するかを見極める局面といえそうです。
そして、その影響を最終的に相場へつなぐのが、MNBの判断になります。
8月相場の本線はMNBの追加利下げ 政策金利5.75%からの緩和ペースが焦点
MNBは7月21日、政策金利を0.25%ポイント引き下げ、5.75%としました。6月に続く2会合連続の利下げです。インフレ率の低下を受け、MNBは夏の間にさらに引き下げる余地があるとの姿勢を示しています。次回会合は8月25日に予定されており、追加利下げに踏み切るかが焦点です。
利下げが続けば、フォリントの金利面での魅力は徐々に薄れます。ただし政策金利は依然として高く、1回の利下げだけで買いが大きく崩れるとは限りません。
重要なのは、MNBが8月でいったん利下げを止めるのか、9月以降も同じペースで続けるのかです。追加利下げを実施したうえで今後は慎重に判断すると説明すれば、フォリント売りは限定的にとどまりそうです。一方、連続的な利下げを強く示唆すれば、金利差の縮小を意識した売りが出やすくなります。
その判断材料となるのが、8月上旬の物価統計です。
ハンガリーのインフレ率低下は安心材料 ただしフォリント高に直結するとは限らない
2026年6月のハンガリー消費者物価指数(CPI)は前年比+1.7%上昇となり、物価上昇率は大きく低下しました。インフレの落ち着きは家計や企業にとって好材料ですが、為替市場では追加利下げを可能にする材料でもあります。
8月7日に発表される7月CPIが引き続き低水準となれば、8月25日の利下げ観測は強まりやすくなります。反対に、食品価格や電力コストの上昇が確認されれば、MNBは物価の再加速を警戒し、利下げに慎重になる可能性があります。ただし、エネルギー価格の上昇は景気や貿易収支には負担となるため、「インフレ上昇ならフォリント高」と単純に判断することもできません。
ここまではフォリント側の話です。もっとも、7月末の急落はフォリント要因だけでは説明できません。
円高が進めばHUF/JPYは戻りにくい 日銀の金融政策と円買い介入への警戒
HUF/JPYは、対ユーロでのフォリント相場とユーロ円の双方から影響を受けます。フォリントがユーロに対して横ばいでも、円が強くなれば下落します。7月末からの急落には、この円高の進行が大きく影響しました。
そのため8月は、MNBの金融政策だけでなく、日本の金融政策や円買い介入への警戒も欠かせません。8月10日に公表される日銀会合の「主な意見」(7月会合分)で、追加利上げに前向きな発言が目立てば、円高を通じて戻りを抑える可能性があります。反対に円高が一服すれば、フォリントに強い買い材料がなくても、急落後の反発は進みやすくなります。
なお、中期の材料であるEU資金については、8月相場での位置づけを整理しておく必要があります。
EU資金の凍結解除は中期の下支え材料 8月相場の主役ではない
EU資金の凍結解除に向けた改革は、フォリントの中期的な支援材料です。反汚職制度や司法改革が進み、実際の資金解放につながれば、経済や財政への安心感が高まります。一方、改革の遅れやEUとの意見対立が表面化すれば、期待先行で買われた分が巻き戻される可能性があります。
ただし8月相場では、MNBの金融政策、円相場、電力供給のほうが短期の値動きに直結しやすいでしょう。EU関連は相場を動かす主役というより、急落時の下支えとして位置づけです。
HUF/JPY相場を動かす8月の重要イベントと注目点
8月5日|7月21日MNB会合の議事要旨……理事会内にどの程度慎重な意見があったか
8月7日|7月消費者物価指数……食品・エネルギー関連の価格に変化が出ているか
8月10日|日銀会合の「主な意見」……追加利上げに前向きな意見がどれだけ並ぶか
8月25日|MNB金融政策会合……利下げの有無と、9月以降も緩和を続ける姿勢を示すか
8月中|ドナウ川の水位とパクシュ原発の稼働状況……出力が回復するか、低稼働が長引くか
これらの材料が、チャート上のどの水準で試されるかを確認します。
HUF/JPYのテクニカル分析|200日移動平均線が重なる0.490円が8月の重要水準

HUF/JPY日足テクニカル分析 移動平均線/RSI 外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
これは、HUF/JPYの日足チャートです。
主要な移動平均線は次の通りです。
25日移動平均線:0.511円付近
100日移動平均線:0.507円付近
200日移動平均線:0.490円付近
現在値は25日線と100日線を下回っており、短期的には下落の勢いが残っています。反発しても、100日線と25日線が戻りを抑えやすい形です。一方、200日移動平均線が推移する0.489〜0.490円では下げ止まりました。ここを維持できるかどうかが、8月の分岐点となります。
上値は、まず0.500円が目先の抵抗です。これを上回れば、100日移動平均線の0.507円、続いて25日移動平均線の0.511円が焦点となります。
基本シナリオ(0.490〜0.511円)|支持帯を維持し、移動平均線の集中帯で頭打ち
0.489〜0.490円の支持帯が維持され、急落後の自律反発が続く展開です。ただし0.507〜0.511円には移動平均線が集中しており、戻り売りに押し戻されやすいとみられます。MNBが8月25日に利下げを実施しても慎重姿勢を示し、円高も一服すれば、この範囲でのもみ合いが中心となりそうです。
上昇シナリオ(0.511〜0.520円)|利下げ見送りと円高一服で25日線を上抜け
7月CPIが下げ止まってMNBが利下げを見送る、あるいは打ち止めを示唆する展開です。加えて円高が一服し、パクシュ原発の出力が回復すれば、0.511円の25日移動平均線を明確に上抜け、0.515〜0.520円方向への戻りが視野に入ります。
下落シナリオ(0.480〜0.490円)|連続利下げ観測と円高再燃で200日線割れ
7月CPIの一段の低下でMNBが連続利下げを示唆する展開です。日銀の「主な意見」を受けて円高が再燃すれば、0.489円を終値で明確に割り込み、0.485円、さらに0.480円まで下値が広がる可能性があります。
ハンガリーフォリント円(HUF/JPY)の注文情報
2026/08/04 19:30 現在0.49 – 0.50
1メモリ = 100 Lot
本データは10分おきに再集計され、その約5分後に表示されます。
背景が水色の行は現在レートの位置を表しています。
