7月30日、泳いだり防波堤を乗り越えたりしてモロッコからスペイン領セウタになだれ込む人々(写真:Europa Press/ABACAA/共同通信イメージズ)

[ロンドン発]7月末、ジブラルタル海峡を挟み北アフリカにあるスペインの飛び地セウタにモロッコから約6万人の越境者が海岸伝いや泳いでなだれ込んだ。死者は少なくとも67人。セウタの人口の7割に当たる群衆が流入し混乱を極めたが、大半はモロッコに引き返した。

ジブラルタル海峡は1日約300隻、年間10万隻以上の船舶が通航

 米経済誌フォーブス(7月31日付)は世界貿易の要衝としてのジブラルタル海峡の脆弱性を指摘している。ジブラルタル海峡は大西洋と地中海を結ぶ唯一の海上ルート。1日約300隻、年間10万隻以上の船舶が通航する。世界貿易の15%を担うという学術研究もある。

 米国が介入した中東紛争でホルムズ海峡、バベルマンデブ海峡の通航に重大な支障が出ている。セウタ危機で通航障害が生じたわけではないが、地政学的・安全保障上の不確実性が浮き彫りになった。3つの主要海峡が同時に危機に瀕すれば世界貿易はカオスに陥る。

スペイン領セウタ(提供:共同通信社))

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 セウタ危機はイタリアによるスペインのシェンゲン協定運用停止(国境管理の一時的な復活)や仏伊国境の警備強化を引き起こした。フォーブス誌はジブラルタル海峡における船舶自動識別装置データや3大海峡の保険料率、シェンゲン圏の国境規制の動向に注視を呼びかける。

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