ウクライナ軍の指揮官らによると、地上ロボットによって、ウクライナ軍がより長く作戦を続けられるようになっているという。Dmytro Smolienko/Ukrinform/NurPhotoウクライナは、危険な任務に就く兵士を減らすため、地上ロボットを大量に実戦投入している。地上ロボットは兵士の命を守るだけでなく、ウクライナ軍が戦争を続ける方法そのものも変えつつある。ウクライナ軍の指揮官らは、地上ロボットによって、より長く作戦を続けられるようになっていると話している。
兵士に代わって危険な任務を担わせるため、ウクライナは、地上ロボットを過去最多の規模で実戦投入している。物資輸送などの兵站活動から最前線での攻撃まで地上ロボットの任務は幅広い。

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戦争が始まって4年半が経過しようとしている今も、兵士不足が続いているが、地上ロボットは兵士の命を守るのに役立っているだけではなく、ウクライナ軍の戦い方や、戦争を続けるための体制も変えつつある。
無人地上車両(Uncrewed Ground Vehicle:UGV)の利点のひとつは、ウクライナ軍がより長時間にわたって作戦を続けられるようになることだと指揮官らはBusiness Insiderに説明している。
第21無人システム「クラーケン」連隊(21st Unmanned Systems “Kraken” Regiment)でUGVを運用するコールサイン「グレク(Grek)」を名乗る中隊の指揮官は、「軍用ロボットは人間のように疲れることがないため、監視や輸送、偵察支援といった任務を継続して行える」と説明する。
第2軍団「ハルティア(Khartia)」で無人地上車両(UGV)部隊を指揮する、コールサイン「マセマティシャン(Mathematician)」を名乗る指揮官は、「地上ロボットの主な目的は、任務に投入する兵士の数を減らすことだ」と話している。
ただ、マセマティシャンによると、ロボットには長時間にわたって任務をこなせるという強みがある。少人数の歩兵部隊よりも多くの任務に投入でき、昼夜を問わず活動できるからだ。
「今のウクライナ軍は、UGVなしでは本当に成り立たない。UGVは、人間よりも長く、繰り返し任務をこなせることが大きな強みだ」
ウクライナは、危険な任務に就く兵士を減らすために、より多くのロボットを実戦に投入している。Polina Kulish/Gwara Media/Global Images Ukraine via Getty Images
ウクライナは2026年、UGVを国防投資の重点分野に位置づけている。2026年上半期には2万5000台のロボットを調達する契約を結んでおり、この台数は2025年通年の2倍となっている。同国のウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelenskyy)大統領は、2026年末までに5万台を生産することを目指している。
UGVへの投資は、ウクライナがさまざまな戦闘任務で兵士の代わりにロボットを投入する動きを強めていることを示している。なかでも、人命に関わる危険性の高い、特に弾薬や食料などを前線へ運ぶ任務での活用が進んでいる。ウクライナ当局者らは、UGVが戦場で兵士の命を守ることができると評価している。
UGVは戦争でますます重要な役割を担っている。ゼレンスキー大統領は2026年4月、UGVが2026年に入ってから2万2000回を超える任務に投入されたことを明らかにした。2026年6月にはその任務は5万回を超えた。
ウクライナ軍のUGV部隊の指揮官らは、「ロボットを使う目的は危険な任務に就く兵士の数を減らすことであり、兵士を戦場から完全に排除することではない」と述べている。
「(UGVの運用について)人間が判断を下し続けることは不可欠だ。UGVは人間を支援するための道具であり、任務の中でも特に危険な部分を受け持ち、人間が判断や操作、責任を担っている」とグレクは説明している。
グレクはさらに、「UGVを使うことで任務の効率が高まり、これまで多くの人員や装備が必要だった作業でも、少ない兵士でシステムを操作したり、連携させたりできるようになる」と付け加えた。
UGVの移動速度が遅く、ドローンの攻撃を防ぐ装備が十分ではないため、戦場で長く使い続けるのは難しいという。Nina Liashonok/Ukrinform/NurPhoto via Getty Images
地上ロボットは最前線で特に重要な役割を果たしている。最前線では、兵士や車両が少しでも動くとドローンに発見され、攻撃を受ける危険がある。このような危険地帯は数キロにわたって広がっており、「キルゾーン(kill zone)」と呼ばれている。ウクライナ当局者や兵士らは、この危険地帯がさらに広がっていると語っている。
高性能のセンサーやカメラを搭載した軍用ロボットを使えば、後方にいる兵士も戦場の状況を映像やデータでより詳しく把握できる。グレクは、軍用ロボットが兵士に代わって危険な場所の状況を把握することで、「人間の能力を拡張している」と話している。
グレクによると、UGVの操縦者は「より安全な場所から、監視、物資の運搬、回収、点検、作戦支援を行える」という。
しかし、戦場が兵士にとってより危険になるにつれ、ロボットにとっても危険度は増している。ロボットは移動速度が遅いうえに、装甲車のようなドローン攻撃への防御力も備えていないからだ。
ウクライナ軍第59突撃旅団で小隊長を務めるアンドリー・クシュニエロフ(Andrii Kushnierov)は、「敵軍と直接対峙する前線付近では、ロボットは破壊されるまでに5回から10回程度しか任務をこなせないこともある」と話している。
「戦場の場所によっては、ロボットが20回ほどの任務に耐えられることもある」とマセマティシャンは言う。しかし、マセマティシャンの部隊が活動する地域では、ロボットは3、4回程度しか任務をこなせないという。それでもウクライナ軍は、ロボットが破壊されたとしても、その分だけ兵士の命を守れるのであれば十分に価値があると考えている。

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