令和8年熊本地震発災翌日の7月29日〜30日の三日間、J-MINDの初期活動として熊本市に入りました。主な目的は現地調査と、外国人被災者や受け入れ施設のニーズを聞き、どんな支援が必要か調整することです。熊本県宇土市に住む家族の様子を確認したいという気持ちもありました。

 博多までは電車で、そこからは新幹線が動いていなかったので高速バスを利用しました。カバンには、過去の被災地支援の経験から、断水時に役立つ紙おしぼりと割り箸を大量に詰め込みました。

 到着した熊本市は、震災による休業店舗が目立つ一方、熊本城や中心部の建物に2016年の熊本地震のような甚大な被害は認められませんでした。八代市や宇城市の報道を見て、熊本県全域が大きな被害に遭っていると思いがちですが、支援を考える際は、地域の状況を細かく分析する必要性を感じました。

 最初に訪れたのは、以前から医療通訳者の養成研修などで連携している熊本市国際交流会館です。ここは避難所にも指定されており、前回の熊本地震では外国人被災者を中心に最大100人程度が数日にわたり滞在していました。しかし今回は、一時30人ほどが避難したものの、私が訪問した時点では全員退去した後で、比較的落ち着いた雰囲気でした。

 同会館で聞き取りを行ったところ、健康相談会の開催という案にまとまりました。J-MINDでは能登半島地震(2024年)の一カ月後から複数回にわたり、外国人被災者を対象に健康相談会を開催し、多言語で対応した実績があります。震災というつらい体験から心身に不調を来したにもかかわらず、言葉が分からないため病院に行けていないという人が見受けられました。今回の震災でも同様のケースが予想されることから、時期を見計らっての開催を検討することになりました。

 このあと、医療フェーズ(段階)を確認するために、近くの熊本大学病院へ向かいました。大きな災害の時には玄関前に治療の優先順位を決めるトリアージポストが設置されるのですが、この日はそれがありませんでした。ただ、患者を搬送するドクターヘリの飛行が見られたことから、完全に医療が充足しているとは言い切れないと感じました。

 補足ですが、家族が住む宇土市は7月29日の時点で断水と通信障害があり、生活上の不便やストレスが重なっている様子が見られました。コンビニなども閉まっているため、買い出しなどは市をまたいで行かなくてはならず、移動距離が増えます。そうするとガソリンが減る…ということで、あちこちでガソリンスタンド渋滞が起こっていました。消えている信号機もありました。私はたまたま、自転車用ヘルメットを和歌山から持参していたこともあり、レンタサイクルで各地を移動しました。

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益田充…J-MIND(日本災害医療通訳ネットワーク)代表。法学部から国際人権NGOで難民支援に携わる中、アフガニスタンで人道支援に尽くした中村哲医師の献身に感銘を受け、医師に転身。和歌山市の病院で救急外科医、国際医療救護要員として第一線に立つ。問い合わせはメール(office.jmind@gmail.com)。

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(ニュース和歌山/2026年8月4日更新)

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