ロシア軍がじりじり迫るドンバス地方のクラマトルスクや、ロシアとの国境に近いハルキウでも影響が深刻だ。
ウクライナでは民間航空便が利用できず、広大な領土が道路網や鉄道網で結ばれている。ガソリンスタンドは避難民や兵士、トラックの運転手が立ち寄って態勢を整え、英気を養う場所として大きな価値を持つ。
ウクライナ石油・ガス協会のスタロボイテンコ会長は、ロシアの攻撃は一般市民への「威嚇」を目的にしているとの見方を示す。「ガソリンスタンドは戦火から逃れる人たちの重要な避難拠点になった。その後、ロシアは意図的に停電を引き起こして電気と暖房を遮断し、冬の寒さの中で私たちを追い詰めようとした」
そんな中でも、ガソリンスタンドに設置された発電機は常に稼働していた。「ここは温かいお茶を飲み、車に給油して暖を取ることができる場所だった。赤ちゃん用のミルクを準備することさえできた」(スタロボイテンコ氏)

ロシア軍のドローンによる2度の攻撃を受け、損傷した燃料給油機=7月11日、ウクライナ・ハルキウ/Miia Kliushnykova/Gwara Media/Global Images Ukraine/Getty Images
ロシア政府はインターネット上で攻撃の成果を誇示している。ロシアの精鋭ドローン部隊「ルビコン」は今月、ハルキウ州とスーミ州のガソリンスタンドに対する9回の攻撃を捉えた動画を投稿した。
ウクライナの当局者は攻撃の狙いについて、製油所への長距離攻撃を被ったロシアが、ウクライナの燃料供給に同様の混乱を引き起す能力を見せつける目的があると示唆する。
「以前のロシアは冗談交じりに『ガソリンスタンドの国』と呼ばれていたが、その『ガソリンスタンドの国』でガソリンが底を突いているのが実情だ。ロシアのガソリンスタンドでは長蛇の列が見られる」。同氏はそう語り、今回の攻撃は「自国民に対して『ウクライナの方がさらにひどい状況だ』と示す」狙いがあると指摘した。
