W杯北中米大会決勝トーナメント準々決勝 フランス 2―0 モロッコ ( 2026年7月9日 ボストン競技場 )

<フランス・モロッコ>後半、ゴールが決まり喜ぶエムバペ(中央上)らフランスの選手たち(ロイター)
FIFAワールドカップ(W杯)北中米大会準々決勝が9日に始まり、2大会ぶりの優勝を目指すフランスが前回4位のモロッコを2―0で退けた。FWキリアン・エムバペ(27=Rマドリード)がメッシ(アルゼンチン)と並んで今大会最多となる8点目の先制点を挙げ、FWウスマヌ・デンベレ(29=パリSG)とのアベック弾で3大会連続の4強入りを決めた。
幾度となく相手ゴールに迫りながらモロッコの堅守に阻まれたフランスだったが、こじ開けたのはやはりこの男だった。後半15分、左寄りの位置でボールを受けたエムバペが左足を一歩踏み込む。相手選手の重心がわずかにずれた隙を逃さず、右足で縦回転に落ちる一撃を右隅へ。前半28分に自ら得たPKを阻止されていたエースだが、チーム17本目のシュートで勝利への流れを決めた。
ゴールだけではない。直後にデンベレに「(サイドに流れず)中央に残れ。カウンターのチャンスがある」と耳打ち。6分後に敵陣中央でパスを受けて後方の相棒につなぐと、スピードを上げて左に流れる動きで相手選手を引きつけた。駆け上がって右隅を打ち抜いたデンベレは「素晴らしい走りでスペースをつくってくれた」とエムバペに感謝した。
最強デュオだ。8得点で今大会最多に並んだエムバペはW杯通算でもメッシに1差の20点。24~25年シーズンにパリSGの欧州チャンピオンズリーグ初優勝を支え、バロンドール(世界最優秀選手)に選ばれたデンベレも5点で得点ランク5位につける。特筆すべきは両者の共生関係。エムバペ3、デンベレ2のアシストはいずれも強力パートナーのゴールを演出したものだ。
デンベレはパリSGでのセンターFWからエムバペに定位置を譲って右サイドでスタート。しかし、デシャン監督が「相手にとって予測不可能になるように自由を与えている」と話すように攻撃時は状況に応じて役割を変える。左サイドで先発を争うドゥエとバルコラの両FW、トップ下のオリセも含めた多彩な攻撃陣が流動的に絡み合って好機を重ね、いずれもチーム別最多(9日現在)となる16得点、シュート110本という結果につなげてきた。
後半32分にエムバペが自ら交代を求めて周囲をヒヤリとさせたが「(右)足首を軽く打っただけ」と軽傷を強調し、「準決勝に進出してうれしいけど、道のりはまだ長い」と気を引き締めた。デシャン監督は「大きなハードルを越えた。3つ目の星(優勝)を獲りたいと思っている」と訴えた。2大会ぶりの王座奪回へ、フランスは歩みを止めない。
