米国市場は、世界最大規模の消費市場として、多くの日本企業様にとって重要な成長機会と位置付けられています。実際にユーロモニターでも、食品・飲料をはじめとする消費財業界の企業様から、米国市場参入・拡大に関するご相談が増えています。

一方で、米国市場は単純に規模が大きいだけでなく、消費者の価値観、食習慣、流通構造、価格感度が日本やアジア市場とは大きく異なります。
そのため、既存の成功モデルをそのまま展開するのではなく、現地市場に合わせた戦略設計が不可欠です。

米国市場で直面する「期待と現実のギャップ」

私たちが日本企業の皆さまと議論する中でよく見えてくるのは、「米国市場への期待」と「現地で実際に起きていること」とのギャップです。

期待と現実のギャップ:よくある5つの前提

5 gaps of US market reality vs assumption by Japanese brands
つまり、米国市場では「どこで売るか」に加えて、「誰に、どのような場面で、どのような価値として選ばれるか」を具体的に定義することが、成功に向けた重要な一歩となります。

「機能性」「価格価値」「感情的価値」といった明確なバリュープロポジションが鍵

当社シカゴオフィスにて、食品・飲料業界全般を統括しているJonathan Fisherは、昨今の米国のスナック市場のトレンドについて以下のようにコメントをしています。

「米国のスナック市場では、健康志向、価格、そしてSNS主導の新商品の発掘の活発化により、消費者の購買行動はより意図的になっています。もはや広義の健康訴求だけでは不十分であり、消費者は原材料の透明性、高タンパク・高食物繊維、適量サイズといった明確なベネフィットを訴求する商品を、より求めるようになっています。

こうしたトレンドは、ミートスナックやドライフルーツといった、栄養価の訴求が加工食品への懸念を払しょくできるヘルシースナックの成長を後押ししています。

sample image of RXbar expanding high protein line出所:snackandbakery.com

一方、健康だけが差別化の手段ではありません。アイスクリームのようなカテゴリーでは、贅沢感を重視したイノベーション、ノスタルジー、限定商品、食べきりサイズといった要素が引き続き価値創出に寄与しています。

つまり、カテゴリー成長には、ますます「機能性」「価格価値」「感情的価値」といった明確なバリュープロポジションをどれだけ打ち出せるかが大事になっていると言えるでしょう」

巨大リテーラーのオンラインチャネルを活用した参入も、選択肢の一つ

当社東京オフィスで食品業界調査を専門とする松永恵芽は、米国参入を検討される日本企業様との議論を通じて、チャネル戦略の重要性を指摘しています。

「米国市場に参入する際、日本企業の中では『まずはアジア系/日本食スーパーから』という考え方がよく見られますが、実際にはこのチャネルはすでに競争が激しいレッドオーシャンになっています。どうしてもエスニック棚に留まりやすく、リーチできる市場が限定的になりがちな点は押さえておく必要があります。

一方で、米国の食品業界ではやはりWalmartやCostcoが二強とも言われるほど存在感が非常に大きく、規模を狙うのであれば優先度は高いと言えます。

Walmart store image出所:Walmart

特に、Walmartはオンラインと店頭で品揃えが異なり、オンライン限定の商品も一定数あるため、まずはオンラインから入り、レビューや販売実績を積み上げながら店頭での採用につなげていくことも、日本企業が米国に参入するうえで効果的なアプローチと言えるでしょう」

戦略の解像度が「成功か否か」を分ける

米国市場では、以下の要素を具体的に設計することが、事業戦略上の重要な分岐点になります。

ターゲット設定
利用シーン
提供価値
チャネル戦略

ユーロモニターは貴社が米国市場戦略を検討するうえで、現地市場の構造や消費者理解を踏まえた整理をサポートいたします。

現在想定されている米国市場におけるターゲットや戦略の整理
商品カテゴリーではなく、ニーズ・利用シーン起点で見た市場の捉え方
今後の事業・マーケティング戦略を検討する上での論点整理

…などといったテーマに課題を感じているご担当者様は、いつでもお気軽にお問い合わせください。

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