Two men in khaki in an indoor location with controllers and fiber optic spoolsウクライナ軍は、ドローン部隊や指揮所を常に移動させながら運用し、地下に設置するなどして敵に見つからないようにしているという。Ukrinform/NurPhoto via Getty Imagesロシア軍は、ウクライナ軍のドローン操縦士やドローン部隊、指揮センターを執拗に追跡し、攻撃対象としている。そのためウクライナ軍は、これらの部隊や施設を常に移動させており、敵に見つからないよう隠したり地下に設置したりしているという。ウクライナの防衛当局者は、「こうした対策には費用がかかるものの、西側諸国もこの教訓を学ぶべきだ」と訴えている。

ウクライナの防衛当局者は、西側諸国に、「将来のドローン部隊や指揮センターは移動式にして、可能であれば地下に設置すべきだ」と訴えた。なぜかというと、こうした施設は敵に狙われやすい重要な攻撃対象になってしまうからだという。

西側諸国は、ウクライナ戦争でドローンの高い効果が実証されたことを受けて、ドローン戦やその運用方法への投資を拡大している。そしてウクライナには、実戦を通じて得た貴重な教訓がある。

ウクライナの「3種類のドローン」がモスクワの防空網を突破…存在を知られていなかった新型機も投入 | Business Insider Japan

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ウクライナ軍の領土防衛隊で軍事協力部門を率いるタラス・ベレゾヴェツ(Taras Berezovets)は、西側諸国がウクライナ軍の実戦経験から学ぶべき教訓の一つとして、敵にとってドローン部隊や指揮センターは極めて重要な攻撃目標となること、さらにそれらを守るには大きな労力が必要になることがあると語った。

「この戦争、特にドローン戦は、ネコとネズミの追いかけっこのようなものだ。ロシア軍は常に我々のドローン部隊の居場所を探している」と彼は説明する。ウクライナ軍は位置が敵に把握されてしまった恐れがある場合、すぐに部隊を移動させているという。

ベレゾヴェツは、Business Insiderも取材した、ラトビアで開かれたドローンサミットで、「西側の同盟国もドローン指揮センターを『さらに深い地下』に設置することを検討すべきだ」と語った。

「その分、費用は大幅にかかる。しかし、ロシア軍との戦いや私たちウクライナの経験を踏まえれば、こうした指揮センターや訓練施設は、できるだけ深い地下に設置した方がいい」

ベレゾヴェツは、この教訓は国土の小さいNATO(北大西洋条約機構)加盟国では実践しにくいかもしれないと話している。こうした国々はウクライナほど国土が広くないため、ドローン部隊や指揮センターを移動させられる場所が限られているからである。ウクライナの面積はラトビアの約10倍だ。彼は、小規模な国では「ドローン部隊や指揮センターを移設できる場所を見つけるのは、はるかに難しくなるだろう」と話している。

NATOは加盟国全体に部隊を分散できるため、ウクライナより多くの選択肢がある。しかし戦時に指揮センターや訓練施設、戦闘用ドローン部隊を国境を越えて移動させるとなると、輸送や通信だけでなく、各国の許可取得や連携など、新たな難しさが生じてしまうだろう。

ウクライナでは、多くのドローン指揮センターが敵に見つからないよう隠されており、可能な場合は地下で運用されている。さらに、一部の指揮センターは移動式で、トラックや装甲車の中に指揮設備を設けている。

ドローンの操縦士も、身の安全を確保するため、敵に見つかりにくい場所や地下から運用することが多く、できるだけ離れた場所からドローンを操縦している。

ドローン指揮センターは、小規模なものから大規模なものまでさまざまだが、高い攻撃能力を持つドローンの運用を統括しているため、重要な攻撃目標となっている。ウクライナによると、ロシア軍の前線での損失の90%はドローンによるものだという。また、ウクライナはロシア軍のドローン指揮センターへの攻撃に成功した際、その戦果を積極的に公表してきた。

しかし、標的となっているのは指揮所だけではない。ウクライナのドローン操縦士もまた、敵が優先的に狙う対象となっている。

ウクライナの兵士や当局者は、ドローン操縦士がロシア軍にとって最優先の攻撃対象になっていると語ってきた。ベレゾヴェツも、ドローン操縦士は「ロシア軍部隊にとって最優先の標的」であり、「ロシア軍は彼らを殺そうとしている」と話している。こうした脅威はドローン操縦士だけにとどまらず、指揮官にまで及んでいる。ウクライナ軍のドローン部隊を統括する無人システム軍(Unmanned Systems Forces)のトップは2025年、ロシア軍が複数のドローン部隊指揮官の居場所を突き止め、一斉に攻撃しようとしたことがあったと話している。

A man in khaki carring a large black drone under his arm between treesウクライナのドローン操縦士、部隊、作戦はロシアにとって最優先の標的だ。Alex Nikitenko/Global Images Ukraine via Getty Images

こうした警告は、将来の戦争に備えるうえで、西側諸国の軍隊により高い機動力と秘匿性、そして部隊の分散運用が求められるという認識が広がっていることを示すものだ。

NATOの欧州連合軍副最高司令官であるジョン・ストリンガー(John Stringer)は、「ウクライナでの戦いは、西側諸国が冷戦後の約35年間にわたり当たり前としてきた、航空作戦の指揮機能を1つの大規模な司令部に集約するやり方が、もはや成り立たなくなっていることを示している」とBusiness Insiderに語っている。

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