
日本代表【写真:Getty Images】
日本代表は、強豪国を相手にしても自分たちの戦い方を見失わない成熟したチームになった。オランダ戦では終盤に追いつき、チュニジア戦では序盤から主導権を握り、スウェーデン戦では試合を締めにかかる展開まで持ち込んだ。次なる相手は、優勝候補ブラジル。個の力と技術を兼ね備えるセレソンに対し、日本はどのように勝ち筋を見出すべきなのか。『ラ・ガッゼッタ・デッロ・スポルト』のファビオ・リーカリ記者が、ブラジル戦のポイントを分析する。(文:ファビオ・リーカリ(『ラ・ガッゼッタ・デッロ・スポルト』記者),翻訳:佐藤徳和)
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ブラジルに負けても責める人は…

3大会連続のグループリーグ突破を果たした日本代表【写真:Getty Images】
森保一監督が、日本代表はワールドカップ(W杯)に勝てる、あるいは実際に優勝するとまで繰り返し、疑わしいほどの確信をもって語っているのは大げさかもしれない。
決勝トーナメント1回戦では、カルロ・アンチェロッティがうってつけの良いタイミングで立て直したように見えるブラジルが待ち受けている以上、仮に敗退しても彼を責める者はいないだろう。
だが、グループステージの3試合を終えて、彼が言葉どおりの戦いを示したことを疑う者はいない。彼の代表チームは、この大会で最も優れ、そして最も驚きのあるチームの一つである。
いまだ無敗であり、これまでになく危険かつ安定していたオランダが所属するグループで2位となり、すべての相手に困難を与えるようなオートメーション化された動きによって、フレッシュでスピーディーなサッカーを見せている。
スウェーデンとの第3戦の終盤だけは少しスタミナ切れに見え、2位通過を危うくしかけたが、グループステージ突破自体は問題なかった。
したがってこれまでの戦績は非常に良好であり、1勝2分け、7得点3失点、ゴールに直接関与した選手は10人(ドイツ代表と並ぶ記録)、さらに2018年以降、3大会連続の決勝トーナメント進出(アジア記録)となっている。
約4年前のカタール大会では、日本はドイツを破るなど世界を驚かせた。この大会でも再現できるだろうか?
アジアのチームに対する先入観

森保一監督【写真:Getty Images】
確かに日本は、堅実でバランスの取れたチームである。ヨーロッパ的視点からは、アジアのチームはしばしばしたたかさを欠いたサッカーをするという先入観があるが、日本はそのステレオタイプから外れており、戦術的組織を成果の重要な要素としている。
これはおそらく、アルベルト・ザッケローニによるイタリア的な指導の遺産でもあり、それが定着した痕跡を残しているのだろう。森保監督の3-4-3はモダンで、予測不能かつ攻撃的でありながら、個々の選手を抑え込むのではなく、むしろその個性を引き立てている。
そして、久保建英と、私にとって近年最高の日本人選手である三笘薫の不在という問題も補っている。
森保監督は、段階的な調整を構築する点でも手腕を発揮した。左サイドの中村敬斗は攻守両面で質の高い動きを見せる驚きのサイドプレーヤーであり、前線で非常に良い働きをし、後方でも注意を怠らなかった。
上田綺世は機動力を備えた得点感覚に秀でたセンターフォワードであり、田中碧を中盤中央に起用したことで組織力とゲームメイクにおける創造性、そして秩序が加わった。これは大きな安定要素である。
さらに、鎌田大地を対戦相手の戦術的変化に応じて守備的MFとトップ下の間で使い分ける判断も。守備陣は中央の板倉滉を中心に非常に安定している印象を与える。
3バックが比較的ワイドに広がり、守備的MFのどちらかが戻ってくるのを待ちながらも、全体としては守ることができている形になっている。
しかし、私には鍵になると思われるもう一つの重要な点がある。それは、日本が試合をコントロールする際に発揮する特性である。
ブラジルに対して劣勢であることを理解している。それはむしろ…

ブラジル代表との対戦を控える日本代表【写真:Getty Images】
最後まで決して諦めない成熟したチームであり、オランダ戦で終盤に追いついた試合でもそれが示された。“オランイェ(オレンジ軍団)”は、チュニジアやスウェーデンには圧倒的だったが、日本相手には守備を崩し切ることが最後までできなかった。
日本は強豪を抑える術を心得ている。この特性により、試合ごとに戦い方を調整できるのだ。オランダには鋭くアグレッシブに、力の劣るチュニジアには序盤から支配した。
スウェーデン戦では試合を締めにかかり、その後は守備のブロックを整えたが、同点に追いつかれた後、スウェーデンはしばらくの間、勝利の夢を抱いた。敵将グレアム・ポッターは、ヴィクトル・ギョケレシュ、アレクサンデル・イサク、アントニー・エランガという強力な3トップで総攻撃に出たが、得点はやや意表をついたペナルティエリア外からのミドルシュートだけだった。
一方で前田大然のゴールは、堂安律のミリ単位のアシストによる意図された美しい得点であり、その“斜めの動き”は多くのDFを屈服されるものだった。
おそらく日本は、スウェーデンのようにとてもフィジカルが強く、かつ技術的にも優れたチームに対してはやや問題を抱える可能性がある。ブラジルはまさにそのタイプであり、したがって極めて重要な試金石となるはずだ。
日本は過度な楽観論を口にしつつも、自分たちが劣勢であることを理解している。これはむしろ有利に働く可能性があると私は考える。
選手の心理として「失うものがない」という軽さを保てるからであり、2002年以来のW杯制覇を国中が待ち望むプレッシャーを背負うセレソンに対して重要な要素となり得るからだ。
さらに言えば、ブラジルは状態が良く、調子を上げているとはいえ、ハイチとスコットランド戦の勝利に惑わされる必要はない。とりわけ、スコットランドは、日本代表では見られないような個人的ミスが多発していた。
日本がいつも戦っているようにスペースを封じれば、ブラジルの選手たち、特にヴィニシウス・ジュニオールを苛立たせることができるだろう。日本は引いて守りすぎてもいけないが、少なくとも前半は過度にリスクを取ることはない。
ブラジルにある程度自由にプレーさせ、自陣エリア内から遠ざけながら、ハイチが崩壊したような要因となったライン間のスペースを与えないことが必要である。ブラジルはバランスを崩しやすく、前がかりになると背後にスペースを残すため、カウンターの余地が生まれる。
もし森保監督がこの挑戦に応えるならば、こうした戦いになるのではないだろうか。
(文:ファビオ・リーカリ(『ラ・ガッゼッタ・デッロ・スポルト』記者),翻訳:佐藤徳和)

【著者プロフィール:ファビオ・リカーリ】
1967年生まれ。『ラ・ガッゼッタ・デッロ・スポルト』特派員、20歳から同紙に所属。国際分野担当、イタリア代表取材班の主筆記者。ワールドカップ6大会、欧州選手権7大会、オリンピック1大会を取材。1996年ユヴェントスのチャンピオンズリーグ制覇を題材とした小説、モウリーニョ、プラティニ、バッジョ、インテル、ユヴェントスの伝記を執筆。
『ラ・ガッゼッタ・デッロ・スポルト』『コッリエーレ・デッラ・セーラ』付録コミックシリーズ編集担当。マーベル・コミック関連書籍も手がけている。
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【了】
