
Westend61
整形大国と呼ばれて久しい韓国。社会に出たら顔がいいほうが出世できる……あまりに単純で露骨な理由に、当初どこか冷ややかな目で見ていた日本も、今は美容医療に夢中だ。だから出世のための整形ニーズはわからないではないが、今ひとつピンとこないのが、高身長ニーズ。韓国では「背が高くないと成功できない」とも言われ、身長を伸ばすビジネスが確立しているほどだという。
韓国では、低身長と診断された子どもは健康保険適用で治療を受けられるが、成人後も身長を伸ばしたいという希望から、自費で成長ホルモンを投与する人が急増している。5年前に比べて5倍というから、もはやひとつの社会現象。自費だと年間100万円にもなるというが、安全性が担保されているわけではなく、それが社会問題にもなりつつあるのだ。ちなみに、背中を引っ張り上げながら歩行するような不思議な施術も、年間40万円というから、本当に切実。
そこまで背を伸ばしたい人が増えた背景には、やはり兵役が影響しているのか。体力勝負の2年間が「大きな体と筋肉がなければ人生辛い」という強迫観念を生むともされる。また一方、K-POPや韓国映画・ドラマが世界的に評価され、もともと国民性として強かった成功願望がさらにエスカレート。で、何といっても韓国の人気俳優たちは全員見事に180センチ以上。ここまで高身長の成功者たちを見せられると呑気にしてはいられない。どちらにせよ、単なる外見主義では片付けられない事情があるのだ。
確かに日本でも80年代のバブル期に高身長・高収入・高学歴の“3高”が理想の結婚相手とされた時代があったが、その後は“3低”(低姿勢・低依存・低リスク)や、“3平”(平均的な年収・平凡な外見・平穏な性格)でいい、という風潮になり、高身長を売りにするのはもう古いとまで言われた。「背の高い人が理想」と言う女性がいると、えー、そこ? と座が白けるような。気がつけば“女性のほうが背の高いカップル”も増え「山椒は小粒でもピリリと辛い」……身体は小さくても才気煥発、つまり気概があって才能に溢れている人が好みという声も聞く。Snow Manの佐久間大介さんが人気であるように。単純に男同士はどちらが体が大きく腕力があるかという一瞬の動物的な駆け引きがあるからこそ、逆に体の小さい男のほうが気が強くなり才気に溢れるという法則が、女性たちにも伝わるのかもしれない。
