今回の総選挙で3期目を目指すのがナレンドラ・モディ首相、73歳。

インド西部グジャラート州の出身で、鉄道駅などでチャイと呼ばれる紅茶を売る貧しい家庭で育ちました。

2001年から13年間、グジャラート州の州首相を務め、電力や道路などのインフラ整備を進めたほか、国内外の企業の誘致に取り組み高い経済成長をもたらしました。

2014年に行われた総選挙では、こうした取り組みを「グジャラート・モデル」としてインド全体に広げることを訴え、インド人民党を圧勝に導き首相の座に上り詰めました。

首相就任後は外国からの資本を呼び込み、ものづくり国家の実現を目指す「メイク・イン・インディア」構想に取り組んだほか、道路などのインフラ整備や複雑だった行政手続きのデジタル化なども推し進め、前回2019年の総選挙でも再び圧勝しました。

GDP=国内総生産が世界5位にまで上昇するなど、高い経済成長を実現しましたが、若者の失業や経済格差が深刻化していると指摘され、足元では多くの課題を抱えています。

外交面では海洋進出を強める中国を念頭に日本やアメリカ、オーストラリアとともに4か国の枠組み「クアッド」を形成するなど安全保障や経済の面で欧米諸国と協調する姿勢を強めています。

ただ、インドはロシアの伝統的な友好国でウクライナ侵攻後も欧米がロシアに対して制裁を続ける中、原油の輸入を増やすなど経済関係を強化し、国益を最優先する「全方位外交」を展開しています。

また、去年議長国インドで開かれたG20サミットでは、新興国や途上国が抱える課題を中心に議論を主導し、グローバル・サウスの国々をけん引する姿勢を示すことで、インドの国際社会での存在感を高めようとしています。

一方、政治面では国民のおよそ8割を占めるヒンドゥー教徒を重視する姿勢をとっています。

ことし3月には近隣の国から迫害を逃れてきたヒンドゥー教徒などに市民権を与える改正法の施行が発表されましたが、少数派のイスラム教徒を対象外としていることから宗教による差別だと野党から批判されています。