2026.10.28
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欧州委員会は2026年10月27日(現地時間)、EU加盟国の対外国境管理を支援する機関フロンテックスの権限と人員を強化する改革案を発表した。関係国との合意などを条件に、非加盟国間の送還を支援できるようにし、緊急時の迅速対応部隊も設ける。成立には欧州議会とEU理事会の合意が必要となる。
送還支援の範囲拡大と権利保護
改革案は、非加盟国から別の非加盟国への送還について、フロンテックスが手配や実施を支援する仕組みを盛り込んだ。欧州委員会は、この支援には関係国との合意に加え、基本権と国際基準の順守が必要だとしている。
新設する送還調整センターは、運用情報を収集・分析し、対象者の早期特定から送還実施までを支える構想だ。自発的な帰国に向けた相談や、帰還後に生活基盤を立て直すための再統合支援も対象に含む。
権利保護の体制は論点となっている。ロイターやDWによると、改革案ではフロンテックス内部の基本権監視機能の対象が縮小され、加盟国職員の行為に関する苦情は各国当局で扱う仕組みになるという。欧州議会議員からも批判が出ており、EU域外での送還支援の拡大に伴い、監視と説明責任をどのように確保するかが問われている。
緊急派遣の仕組みと人員・予算の拡充
迅速対応部隊は、緊急事態に直面した加盟国の要請を受け、フロンテックス事務局長が派遣を決める設計となっている。ブルナー内務・移民担当欧州委員は、24時間以内に展開できる能力を目指すと説明した。欧州委員会は、危機対応の強化を2026年7月にスペイン領セウタで起きた大規模な移民流入から得た教訓に結び付けている。
ロイターによると、常備部隊は2041年までに段階的に3万人へ拡大する構想だ。フロンテックス独自の常備職員を3000人から6000人に倍増し、加盟国からの既存の派遣職員7000人と、新設する1万7000人の「欧州国境・送還予備隊」を組み合わせる。新たな予備隊は加盟国所属の職員を中心とし、必要に応じて派遣する仕組みとなる。
財源について、ロイターは欧州委員会が2028~2034年のフロンテックス向け予算として118億ユーロを提案したと報じた。2021~2027年の配分は60億ユーロ弱としている。
改革案には、公開SNSコンテンツを監視するオンライン監視・対応センターも含まれる。国境管理に関係する動向の把握や、違法コンテンツへの対応を支援する役割を担う。フロンテックス改革案と並行して提出された送還手続きのデジタル化案は、いずれも欧州議会とEU理事会の合意を要する段階にある。
参考・出典
