AEKアテネ戦のマンチェスター・シティの先発メンバーを見て、目を疑った人もいたはずだ。エンツォ・マレスカ監督が1トップに起用したのは、アーリング・ハーランドではなく、フロイド・サンバという選手だった。

週明けの時点では、サンバ自身も、伝統あるチャンピオンズリーグのアンセムをピッチ上で聞くことになるとは思っていなかっただろう。ノルウェーのスーパースターに代わって先発し、目の前にはエスコートキッズがいる。その前のプレミアリーグ、イプスウィッチ・タウンに5-0で大勝した試合では、ハーランドが今季11点目と12点目を決めていたのだから。

アテネとのホーム戦で、得点源のハーランドはメンバー入りしたものの、軽い不調を抱えて90分間ベンチに座ったままだった。代役のアントワーヌ・セメニョが数日前に負傷し、数週間離脱することになったため、17歳のサンバに先発のチャンスが巡ってきた。ただ、サンバの本来のポジションはセントラルミッドフィールダーだ。

大胆な決断が奏功。サンバはそれまでFWでプレーしたことがなかった

マンチェスター・シティが5-1で勝利した試合で、63分に交代するまでゴールに直接絡むことはなかった。それでもマレスカ監督は、ティーンエージャーのプレーに今回も満足していた。「アカデミー出身の3人は良かった」と試合後に語り、途中出場した生え抜きのライアン・マカイドゥーとケイデン・ブレイスウェイト(ともに18歳)の働きも称えた。ペップ・グアルディオラの後任を務める指揮官は、なかでもサンバが「特に」印象的だったとし、「全体として良い試合をした」と評価した。

メディアも称賛を惜しまなかった。マンチェスター・イブニング・ニュースは10点満点中7点をつけ、「彼にとってまた一つの大舞台で、良いパフォーマンスを見せた」と評した。サンバの活躍は一度きりではない。まだ始まったばかりの今季、先発はすでに2度目だった。最初は9月中旬のカラバオカップ、ノリッジ・シティ戦。このときもFWとしての起用だった。

当時としては間違いなく大胆な決断だったが、結果的に大正解となった。サンバは2得点を挙げ、マンチェスター・シティは5-0で快勝した。しかもマレスカ監督は試合後、慣れないポジションでサンバを試したのは、つい直前のことだったと明かしている。「ここ3、4日で彼を9番として起用しようと決めたとき、以前にFWでプレーしたことがあるか尋ねた。彼は一度もないと言っていた。でも、できると思った。彼が9番の選手ではないのは確かだが、良かったよ」

デイリー・メールは「新たなスターの誕生」と、やや大げさな見出しを掲げた。たちまちSNSでもサンバへの注目が高まった。本人も興奮気味に語った。「こんなデビューは本当にすごい。信じられませんでした。これはまだ始まりです。僕には大きなキャリアが待っています」

TOPSHOT-FBL-EUR-C1-MAN CITY-AEKGetty Images出場機会は限られる見通し。サンバはレンタル移籍するのか?

それでもサンバは育成チームに戻り、通算3度目のトップチーム招集まで1カ月以上待つことになった。そして、チャンピオンズリーグデビューを見事に果たした。プレミアリーグでは第3節に初めてマレスカ監督のメンバーに入ったが、出場はなかった。今後も出場機会は散発的なものになりそうだ。週末に1-2で敗れたアストン・ヴィラとのリーグ戦では、再びメンバー表に名前がなかった。一方、水曜夜のブライトンとのリーグカップでは、出場時間を得られる可能性が高い。攻撃陣の不動の存在であるハーランドは、休養を与えられてメンバーから外れるシティのスター選手5人のうちの1人だ。

数週間後にセメニョが復帰すれば、さらなる出場の見通しは一段と厳しくなる。まして、本職の中盤中央にはエリオット・アンダーソン、アイユーブ・ブアディ、エンソ・フェルナンデスと強力なライバルがいる。スカイによると、そのため冬のレンタル移籍も選択肢として考えられているが、現時点で具体的な解決策は見えていない。一方、その才能を踏まえれば、完全移籍での放出は検討されていない。クラブが財務スキャンダルに伴う処分の可能性から不透明な将来に直面し、移籍禁止だけでなく強制降格の恐れさえあることも、その理由の一つだ。

加えて、近郊のマックルズフィールドで生まれたサンバは、マンチェスターでの生活を気に入っている様子だ。U-9からシティの水色のユニフォームを着ている。兄のタイロンもU-21で左ウイングとしてプレーする。昨季にはチャンピオンズリーグで一度ベンチ入りしており、先週火曜日には観客として弟を応援した。サンバ家では、12歳のエマーソンもクラブと契約している。

フロイドが最近語ったところによると、兄弟は今も自宅の庭で定期的にサッカーをしている。「かなり激しくやり合いますよ」とフロイド。末っ子で現在はディフェンダーのエマーソンは闘争心が強く、しかも「とても背が高い」。すでにフロイドの「肩まで」届くという。エマーソンは、父クリストファー・サンバの足跡を追いたいと考えている。父はプレミアリーグで171試合に出場し、ヘルタ・ベルリンでもブンデスリーガ20試合に出場した。

ジャマル・ムシアラとの共通点。サンバはドイツ代表の次なる希望となるか?

屈強なセンターバックだった父は、ドイツの首都で妻テレーザと出会ったという。この縁は、ドイツサッカー連盟(DFB)にとっても長期的な喜びにつながるかもしれない。ハーランドの代役を務めたサンバは、そのためドイツ国籍を持つ。ノリッジ戦での2得点から間もなく、ハンノ・バリチュ監督率いるドイツU-19代表でデビューした。それ以前、この才能豊かな選手はイングランドの年代別代表でプレーしていた。ドイツとイングランドに加え、フランスのユニフォームを着ることも、かつての父のようにコンゴ代表でプレーすることもできる。

もちろん、サンバはまだどの代表を選ぶか決める必要はない。判断にはもう少し時間をかけたいという。この点で一例となるのがニコロ・トレゾルディだ。素晴らしい得点力を発揮しているが、U-21欧州選手権後になってから、ドイツ代表を選ぶかどうか決めたいと考えている。イタリアもこの得点源の獲得に熱心だ。サンバと同様に多様なルーツを持つトレゾルディは、アルゼンチン代表でプレーすることもできる。さらにサンバは、姓を文字どおりに受け取れば、その名にふさわしいプレーも見せる。ドリブルの巧みさ、ボールタッチ、視野の広さ。ピッチ上で、この若者は確かにブラジルらしい雰囲気を漂わせている。

一方で、ジャマル・ムシアラとの共通点もある。バイエルン・ミュンヘンの類いまれな才能を持つ選手も、子どもの頃にイングランドの年代別代表でプレーした。ドイツU-16代表で2試合に出場した後、イングランドU-17代表、さらにはU-21代表でもプレー。現在23歳のムシアラは2021年にドイツ代表を選び、それ以来、胸にドイツのエンブレムをつけて46試合に出場している。

サンバも同じ道を歩むのかは、これから分かるだろう。いずれにせよ、その将来が有望であることを示す材料は多い。

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