静岡放送
15年かけた裁判の結論は、「却下」でした。静岡県内の弁護士らが浜岡原子力発電所の運転差し止めを求めた裁判で、2026年10月27日、静岡地裁は訴えを却下しました。
【写真を見る】15年続いた浜岡原発の運転差し止め訴訟 静岡地裁が訴えを却下 原告側が会見「判断から逃げている」=静岡
中部電力が浜岡原発の再稼働審査を取り下げ、原発を運転する見込みがない中で、司法の場で判断できる状態にないという見解です。
<野田栞里記者>
「約15年続いた裁判、原告の訴えは却下されました」
27日午後3時すぎ、司法が下した判決に対し、原告側は「司法の役割を放棄した」と非難しました。
■対立続いた15年 データ不正で和解案拒否の末に結審
この裁判は、県内の弁護士や住民らが2011年、東日本大震災の後に浜岡原発3号機から5号機の運転差し止めを求め、静岡地裁に提訴したものです。
これまでの裁判で、原告側は、「浜岡原発は立地条件が悪く、南海トラフ巨大地震や津波に耐えられない」などと主張。
一方、中部電力側は、「浜岡原発の安全性は十分確保されている」と反論していました。
<中部電力 林欣吾前社長>
「本当に申し訳ございませんでした」
2026年1月に公表されたデータ不正を受けて静岡地裁は中部電力に対し、浜岡原発3、4号機の運転差し止めを受け入れる和解案を提案したものの、中部電力が拒否したため3月に結審しました。
原告側は9月、公表された「データ不正の報告書」などをもとに審理を再開すべきだと裁判所に申し立てましたが、認められませんでした。
■裁判長 3、4号機は停止に等しく「訴えの利益認められない」
中部電力がすでに浜岡原発の再稼働審査を取り下げた中で迎えた、27日の判決。
<判決>
「主文、本件訴えを却下する」
静岡地裁の平山馨裁判長は、「3、4号機は止まっていたものに等しいため、訴えの利益が認められない」としたうえで「裁判所によって判断できない状態」として原告の訴えを却下しました。
■「こんなに無責任なことはない」弁護団が激しい怒り 中電は重要性強調
『却下』とは「裁判所によって判断できない状態」という意味をもちます。
「却下」の判決に、原告側は激しい怒りをあらわにしました。
<原告側 青山雅幸弁護士>
「判断から逃げている。到底許すことはできません。裁判がこんなに情けないものであっていいのか。日本国憲法では三権分立、立法・行政・司法が並ぶものです。立法や行政が暴走した時に止めるのが司法であり、原子力規制委員会は行政の一部ですけども、そこが止められないのであるならば、司法が止めるしかないわけです」
判決後の会見で原告団は控訴する方針を明らかにしました。
一方、判決を受け中部電力側は、「浜岡原子力発電所の重要性及び必要性は変わるものではありません。皆さまから再び信頼される企業へと生まれ変わるため、全社を挙げて取り組みを進めてまいります」とコメントしています。
