(CNN) 米民間宇宙企業スペースXのロケット「スターシップ」の試作機を使った最新の飛行試験では、上段の宇宙船が制御された状態で着水し、インド洋を漂流した。人工衛星はロケット回収に取り組む船の驚くべき画像を捉えている。
今回のスターシップ試作機の名称は「シップ40」。スペースXは7月24日、13回目となる完全統合試験飛行の打ち上げを実施した。このロケットシステムは上段の宇宙船(通称「シップ」)と、シップを発射台から宇宙へと打ち上げるロケットブースター「スーパーヘビー」で構成されている。

8月2日に撮影された衛星画像。インド洋に着水したスペースXの「スターシップ」の近くに浮かぶタグボートが捉えられている/Vantor
スペースXはこれまで、上段の宇宙船を飛行後に制御された状態で着水させる方法を模索してきた。軟着水は機体を回収して素早く再利用するというスペースXの計画にとって極めて重要で、打ち上げコストの大幅な削減につながる可能性がある。
スペースXは当初、「シップ40」の回収を想定していなかった。
しかしスペースXの広報担当者によると、7月の試験飛行中、シップ40は以前の試作機に比べ著しい改善を見せた。6基のエンジンすべての機能を保ったまま、地球大気圏への再突入プロセスを通じて制御を維持し、海上の目標着水地点へこれまでで「最も穏やかな」着水を遂げた。広報担当者は試験飛行の様子を伝えたライブ配信で、今回の着水を「夢のようなシナリオ」と表現した。

8月3日に撮影された衛星画像。タグボートと「スターシップ」が写っており、スターシップの先端部分には長いロープが取り付けられている/Vantor
着水が非常に穏やかだったおかげで、シップ40は気密性を保っていたとみられ、以前の試作機のように海底に沈むことなく海上を漂流した。スペースXの回収船は当初、シップ40の近くで待機していた。
スペースXのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は28日、シップ40を回収する方針を確認。現在はノルウェーのタグボート2隻も回収作業に加わっている。

8月3日に撮影された衛星画像。スターシップの回収作業を行う3隻の船が写っている。左からノルウェーのタグボートの「スキマー・タイド」と「ノルマン・レンジャー」、一番右はスペースXの回収船/Vantor
米コロラド州に拠点を置く地理空間情報企業のバンターが2、3両日に撮影した衛星画像には回収作業の様子が映っており、スターシップに横付けされた小型ボートや、先端部分に取り付けられたロープが見える。衛星画像からは曳航(えいこう)作業がすでに始まっているのか不明だが、 船舶追跡サイト「マリントラフィック」の3日のデータによると、ノルウェー船2隻の速度は約1ノットで、操縦が制御された状態にあることを発信している。スペースXの回収船は他の船から離れ、単独でオーストラリアへ戻っている様子だ。
