7月28日の発生以降、甚大な被害をもたらしているマグニチュード7.1(暫定値)の熊本地震。長崎市で2日に行われた長崎大学の公開講座で、地震学専門の慶応義塾大学 大木聖子准教授が登壇し、熊本地震で被害が拡大したメカニズムや今すぐ取るべき「命を守るための備え」について語りました。
【画像はここから】熊本地震は「最悪のパターン」だった…沈黙する「八代セグメント」の危険性、全国に32カ所あるSランク活断層 専門家が語る「今できる」命を守る行動
■被害を拡大させた「最悪のパターン」とは
今回の熊本地震は、震源の深さが「16キロ」という非常に浅い直下型地震でした。
地震の破壊エネルギーは震源からグラデーションのように広がりますが、今回の地震は深さ16キロを底にして、地表に向かって強いエネルギーが解放されました。
「願わくば、一番被害をもたらす強いエネルギーを持っているところが、地面から少しでも遠い方がいい。下に赤の濃い(エネルギーが強い)のが出てほしいと思ってたんですけども、今回のモデルは、震源を下端としてそれより上(にエネルギーが向かった)。つまり地表にいる人にとっては最悪のパターン…。取りうる中では、本当に良くないパターンだった」
■10年前からの「割れ残り」と今後のリスク
10年前(2016年)の4月に起きた熊本地震は、日奈久(ひなぐ)断層帯の北側と布田川(ふたがわ)断層帯で起きました。
「ある意味で日奈久断層帯は、中途半端に『割れ残り』を残したまま、お隣の布田川断層帯に地震が行ったわけですね」
そして今回、限界を迎えて破壊されたと指摘されているのが、日奈久断層帯の南側に位置する「日奈久セグメント」です。大木准教授は当時の活断層の状況をドミノ倒しに例え、次のように解説しました。
「1個頑張って抑えていたんですね。それが限界が来て、バーッと倒れていったみたいな状態が、今回の熊本地震ということになります」
■全国にある「Sランク活断層」
活断層は一度地震を起こしたことがある「古傷」であり、日本列島はこの古傷だらけの状態です。今回の地震を引き起こしている日奈久断層帯は、政府の調査で「今後30年以内の地震発生確率が3%以上」とされている“Sランク”に位置しています。
