トルコ・イスタンブールで開催された「FIBA U17バスケットボールワールドカップ2026」は、アメリカ代表の優勝で幕を閉じた。
【動画】クストゥリツァは決勝のアメリカ戦で37得点をマーク|ゲームハイライト
日本代表は最終14位に終わったものの、白谷柱誠ジャック(福岡大学附属大濠高校)は全選手中5位となる平均23.9得点を記録。世界のユースバスケットボール界に強い印象を残した。
大会MVPに選ばれたのは、平均19.6得点10.9リバウンド2.1ブロックの活躍でチームUSAを頂点へ導いた、デューク大学進学予定のジョアキム・ブンチェ・ブンチェ(FCバルセロナ)だった。
だが、この大会で一躍名声を高めたのは、バルセロナでブンチェ・ブンチェのチームメートで、セルビア代表のニコラ・クストゥリツァだったかもしれない。2009年生まれのノビサド出身で、身長202センチ。FIBAではシューティングガード登録ながら、ボールを持って攻撃を組み立てられる大型ウイングとして評価される。スカウトたちは、同選手を欧州の2009年世代を代表するプロスペクトの一人と見なしている。
クストゥリツァは2025年の「FIBA U16欧州選手権」でセルビアを優勝へ導き、大会MVPを獲得。平均20.0得点7.7リバウンド3.4アシスト2.1スティール1.6ブロックを記録した。同年9月には、16歳4カ月17日でバルセロナのトップチーム公式戦デビューを果たし、クラブ史上最年少記録を更新。今年5月の「NextGen EuroLeague Finals」では、決勝でレアル・マドリードを相手に20得点10リバウンドを記録し、バルセロナの優勝に大きく貢献している。
「FIBA U17バスケットボールワールドカップ2026」では、セルビアは決勝でアメリカ代表に敗れたものの、クストゥリツァは37得点を記録。これは大会ファイナルの新記録となった。大会全体では、平均24.6得点6.9リバウンド2.7アシスト2.3スティール1.7ブロックをマークし、オールスター5入りに加え、最優秀守備選手賞も受賞した。
そのクストゥリツァが、バルセロナからNCAAへ渡る可能性が浮上している。セルビアの地元メディア『Meridian Sport』の報道によると、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)が、2年間で総額1200万ドル(約19億4000万円)の大型パッケージを提示したという。
マイケル・マローンヘッドコーチが率いるノースカロライナ大学も以前から関心を示していたとされるが、UCLAの提示額は規格外だった。『Eurohoops』は、この金額が欧州であればユーロリーグの高額年俸選手トップ10級に相当すると報道。また、UCLAにはネマニャ・ヨヴァノヴィッチ・アシスタントコーチが在籍している。ヨヴァノヴィッチはUCLAで国際リクルーティング部門も担い、セルビア男子代表のコーチングスタッフにも名を連ねる人物で、同氏の存在が環境面での安心材料になり得ると見られている。
クストゥリツァは、単なる大型スコアラーではない。左右でボールを扱えるハンドリングを備え、ポストアップからのターンアラウンド、アイソレーションでのプルアップ、ドライブ、パンプフェイクを使った侵入までこなす。サイズを生かして得点しながら、周囲を動かすこともできるポイントウイング型で、“複合性”という観点で見れば、紛れもなく同世代屈指の才能を持つ。
守備面でも、今回の最優秀守備選手賞が示す通り、高いポテンシャルを持つ。本人も以前「若い選手にとって一番大事なのは、守備を改善することだ」と語っており、オンボールでの圧力、ヘルプ、パスレーンにも手を出せるなど、スキル幅は広い。
一部ではケビン・デュラント(ヒューストン・ロケッツ)と比較する声もあるが、現役NBA選手に重ねるなら、フランツ・ワグナー(オーランド・マジック)やジェイレン・ウィリアムズ(オクラホマシティ・サンダー)に近い印象を受けるだろう。細いフレームを強化し、アウトサイドシュートの安定感を高めることができれば、2028年のNBAドラフトの上位候補へ浮上しても不思議ではない。
なお、UCLA行きについては、現時点で本人、UCLA、FCバルセロナから正式発表は確認されていない。それでも、今回のU17ワールドカップで見せた活躍は、セルビアから次の世界的スター候補が現れつつあることを、確かに印象づけた。
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