4月25日のドニプロの光景。ロシアによるドローンとミサイルの攻撃を受けた集合住宅から避難する住民たち(写真:ロイター/アフロ)
「市民の生活を守るために、この劇場は絶対に閉めない。」
館長を務めるクサナ・ペトロフスカは目に涙をためながら語った。
ドニプロは前線地域からも近い。首都キーウと前線地帯を結ぶ後方拠点だ。住民はどう暮らしているのだろうか。町の様子と、ドニプロ音楽ドラマ国立劇場を取材した。
劇場は戦争前と同じように演劇を上演し続けているという。演目はウクライナの伝統的な暮らしなどに関するものが多いそうだ。
「戦争に関するものはわざと上演しないようにしている。人々に日常を維持してほしいから。ここにきて休息を感じてほしいの」
オクサナは力強くそう続けた。
「戦略的重要拠点」ドニプロ
ウクライナ中央部の都市ドニプロ。ここは、前線への兵站や医療を担う戦略的重要拠点である。
キーウや東部前線地帯ほど注目されないが、頻繁に攻撃を受ける都市である。
しかしながら、市民に話を聞くと「キーウの方が怖い」という声も聞かれた。キーウは前線からは離れているが、大型ミサイルでの攻撃が多く危険だという。
ドニプロで勤務する兵士の中には、「キーウに残してきた家族が心配だ」と嘆く声も聞かれた。
「自分は電気があって、家族より快適な生活をしている。悲しい。首都があんな住環境になるなんて」
例えば、公式の警報発令データなどを網羅する統計サイト『Air-alarms.in.ua』によれば、2026年1月の間にキーウ市でドローンやミサイルによる爆撃回数は12件、一方ドニプロ市では26件だった。なお、これは着弾し爆発した回数であり、攻撃の回数はこれをはるかに超える。
このように統計を見れば、ドニプロは頻繁に攻撃にさらされ、住民の生活環境は厳しい状況にあることが読み取れる。
6月2日のドニプロ。ロシアによる攻撃で破壊された住宅のそばで座り込む女性(写真:ロイター/アフロ)
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