【ソウル聯合ニュース】韓国は60兆ウォン(約6兆4600億円)規模とされるカナダの潜水艦導入計画で受注を逃したが、次の目標として1000兆ウォン規模とされる米国の艦艇市場に照準を合わせている。カナダ潜水艦の受注競争では、同国と同じ北大西洋条約機構(NATO)加盟国のドイツに後れを取ったものの、韓国は「米国の造船業を再び偉大に」を意味する「MASGA(マスガ)」と名付けた造船分野の協力を米国と交わしており、米市場では他国より有利との見方が出ている。

昨年8月、ペンシルベニア州フィラデルフィアのフィリー造船所を訪問し、ペンシルベニア州のシャピロ知事と握手する李在明(イ・ジェミョン)大統領(中央)=(聯合ニュース)
米国防総省と米海軍はこのほど、新型の軍用艦と給油艦の建造を巡り、韓国の造船各社に対し、情報提供要請書(RFI)を送った。防衛産業業界の関係者が8日、伝えた。MASGAを巡る議論が本格化して以降、米国側が韓国造船業界の艦艇建造能力について一括照会してきたのは今回が初めて。
HD現代重工業とハンファオーシャンは先月、軍用艦の設計・建造能力に関する情報を米国防総省に提出した。また、米海軍の中型給油艦に関するRFIに対しては、両社にサムスン重工業を加えた3社が回答した。
情報収集の段階であるため、具体的な事業が動き出したとみるのは時期尚早だが、今後、米国が見積もりや開発計画などを求める提案依頼書(RFP)を通じて韓国との協力を本格化させるのではないかとの期待が高まっている。
大韓貿易投資振興公社(KOTRA)の報告書によると、米国は海軍力強化に向け、2024年末時点で296隻ある艦艇を2054年までに381隻に拡大する目標を掲げている。
米海軍が新規艦艇を調達するために2054年までに投入する予算は、年平均300億ドル(約4兆8000億円)と推計されている。報告書は、総額1兆750億ドルが投入されると分析した。
今回のRFIに関する動きは、韓国がNATO同盟の壁に阻まれてカナダの潜水艦受注を逃した翌日に明らかになった。
カナダの潜水艦導入でドイツのティッセンクルップ・マリン・システムズ(TKMS)とともに最終候補に残ったハンファオーシャンは、技術力の面では引けを取っていなかったものの、カナダは潜水艦の性能や納期よりも戦略的な判断に基づいてドイツを選択したというのが大方の見方だ。
ドイツとカナダはいずれもNATOの主要加盟国であり、大西洋を挟んで安全保障や経済の協力関係を維持してきたことから、これを優先したと分析されている。
一方、米国が中国の強大な海軍力に対抗するためには友好国であり世界的な造船国でもある韓国の協力が不可欠であるため、米国の艦艇市場においては、アジア太平洋地域における安保環境が韓国に有利に働く可能性があるとの観測が出ている。
yugiri@yna.co.kr
