沖縄県今帰仁村の子どもたちと地域の人たちが世代や立場をこえて“つながる場”をつくる『でぃーわーちゃーちなじゅんプロジェクト』のスタートイベントが、6月19日(金)に同村立兼次小学校で行われました。イベントは沖縄県住みます芸人のオリオンリーグ(剛くん、玉代勢直)をゲストに迎え、地域の人たちがバルーンアートやお笑い、楽器づくりに挑戦! その様子を、よしもと沖縄に所属する芸人ライター・又吉ごはんが体験レポートします!
出典: FANY マガ
世代や立場を超えてみんなが「場をつくる側」に!
今回のイベントのタイトルにある「でぃーわーちゃー」とは、兼次小学校や地域に受け継がれてきた「みんなで心を寄せあっていきましょう」という想いを込めた言葉。「ちなじゅん」とは、沖縄の言葉で“つなぐ”という意味です。
その2つの言葉が入った今回のプロジェクトは、子どもや保護者、地域住民、学校関係者、研究機関が同じ場に集まり「まずは集まって、一緒にやってみる」ことを通じて、人と人とのつながりの生まれ方を体験的に共有する取り組みです。国立長寿医療研究センターと立命館大学が連携して進める教育・研究プロジェクトの一つで、子どもたちの「かかわる力・ふりかえる力・やりとげる力・みとおす力」=「かふやみ教育」の醸成を目指しています。
この日、行われたのは、今帰仁村でのプロジェクトのスタートとなる重要なイベント。多くの小学生と保護者、地域住民、教育福祉関係者、企業関係者が集まるなか、ゲストのオリオンリーグが登場します。
いつも通り、「紅いもタルト」と同じ紫色の衣装を身にまとい、心地よい三線と指笛を奏でながら登場です。さっそく剛くんが得意のバルーンアートを披露して、子どもたちの緊張をほぐしていきました。
ここで玉代勢が、プロジェクトのテーマでもある「世代や立場を超えて、まず集まって一緒にやってみる」に則って、「本日は楽しく元気にやっていきましょう!」と宣言してイベントがスタートしました。
出典: FANY マガジン
バルーンアートの“ネズミ”に挑戦
今回、参加者たちは3つのグループに分かれて活動を行います。
1つ目が、お笑いグループ。漫才ワークショップを通じて、言葉や身体の動きを使ってみんなが笑顔になるやりとりを考えてもらいます。そして最後は、みんなの前で漫才を披露! はたしてどんな笑いを生み出してくれるのか楽しみです。
そして2つ目が、風船でバルーンアートづくりを行なうグループ。完成したバルーンアート作品で、漫才を行なうステージを華やかに彩ってくれます。
最後が、楽器づくりのグループ。割りばしや段ボール、ビーズ、ペットボトルなど用意された身近な材料を使って、 自由にオリジナルの楽器を作るというもの。最後に行う発表会では、この楽器づくりチームの演奏が会場を盛大に盛り上げてくれます。
グループ分けを行ったとはいえ、途中で他のグループに移動してもいいとのこと。「まずはやってみる」ことを大事に、自主性を尊重しています。しかし、いざ体験が始まってみるとグループ移動をする子はほとんどおらず、各自集中して物づくりに励んでいました。
お笑いグループでは、子どもと大人が漫才ペアを組みます。手渡された台本のテーマは〝今帰仁に伝わる桃太郎は他と違う〟というもの。台本のボケの部分が空欄になっていて、各自がオリジナルのアイデアで埋めていくという仕組みです。
玉代勢も一緒になって、漫才づくりをサポート。最初は恥ずかしそうにしていた子どもたちも次第に意見を言うようになり、最後にはセンターマイクを置いて笑顔で立ち稽古する姿が見られました。
出典: FANY マガジン
風船グループでは、剛くんによるバルーンアート講座が開催されていました。今回つくっていたのは“ねずみ”。参加者はしっかりと剛くんの声に耳を傾け、一生懸命、バルーンアートづくりに挑んでいました。
僕も試しにつくってみましたが、思っていたよりも難しく、何より風船が割れるんじゃないかとずっとビクビクしていました。それに臆することなく挑戦できる子どもたちは、すごい。
出典: FANY マガジン
楽器グループでは、ビーズや風船、段ボール、輪ゴムなど、身近にあるいろいろな材料をつかって、各自が自由に楽器づくりを行ないました。
楽器をつくる子どもたちの目は真剣そのもの。ペットボトルと空き缶を連結させて、傾け方によって違う音が出るマラカスを作ったり、ティッシュの箱に輪ゴムを付けてギターにしたりと、子どもたちの自由で独創的なアイデアに私も驚かされっぱなし。大人も一緒になって楽器作りを楽しんでいる姿が印象的でした。
出典: FANY マガジン
〇〇から生まれた桃太郎!?
そしていよいよ、完成した作品の発表会。風船グループがつくった色とりどりのバルーンアートで彩られたステージで、お笑いグループの子どもたちが漫才を発表します。初めは緊張した面持ちの子どもたちでしたが、いざ漫才が始まると堂々とした芸を披露してくれました。
出典: FANY マガジン
「今帰仁の桃太郎は桃から生まれない!」「じゃあ、何から生まれるの?」と会話のやりとりが続き、その次のセリフが穴埋めになっていてボケどころです。すると、子どもたちは「黒糖くっきー」や「今帰仁産スイカ」だったり、「モズク」だったりと自由にボケていきます。
モズクから生まれる????(笑)
出典: FANY マガジン
さらに「おともに連れていくのも犬・猿・キジじゃない」「じゃあ、誰なの?」という振りに対し、わったーおとー(私たちのお父さん)!!」といったように、子どもたちの独特なボケに大きな笑い声が起きていました。
9組のペアが漫才を披露してくれましたが、緊張しつつも元気よく楽しんで漫才をやっているようで、見ているほうも楽しくなりました。発表会の最後には、本業の漫才師であるオリオンリーグが「みなさん、非常に上手でした!」と、全員に太鼓判。玉代勢が「漫才スキルは確実に剛くんよりありました!」と言うと、会場はひと際大きな笑いに包まれました。
人とのつながりが心と体の健康に
楽しい時間はあっという間に過ぎ、閉会のお時間となってしまいました。
閉会の言葉として、今回のイベントを企画した研究チーム代表・清家理教授(立命館大学・国立長寿医療研究センター)から挨拶がありました。
清家教授は、研究開発責任者を務めた内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「包括的コミュニティプラットフォームの構築」のなかの研究開発テーマ「多様性寛容の共創システム開発 -『違いがあっても大丈夫』と共育しあえるコミュニティ構築‐」において、日々の何気ない取り組みの中で、無理のない自然なつながりを通じた自律性や寛容性向上、そしてWell-beingにつながる活動の効果検証を続けてきた経験の持ち主です。会場に集まった人々に向けて、次のように語りかけました。
「今日は、ふだんお話しないような人とも自然にお話できませんでしたか? いま口角が上がって表情が柔らかくなっていませんか? それって何かというと、頭が活性化されて、気持ちも元気になっている状態です。私たちは笑いや、人とつながることの力を明らかにする研究をやっています。お笑いとか、自然に笑う、人とつながるということが、心と体の健康につながるというところを、これから立証したいと思っています。今日がそのつながりの始まりです」
そして最後は、玉代勢が三線の音色に合わせ「ひーやーさーさー!」と叫ぶと、全員で「はーいーや!」と大合唱。これは沖縄人(うちなーんちゅ)のDNAに組み込まれている合言葉。子どもからお年寄りまで誰に教えられたわけでもないのに全員が言えます。でも、それってすごいことですよね。
“人とのつながりが心と体の健康につながる”……考えたこともなかったなぁ。スマホやネットの普及により、世界中の人たちとつながれたいまだからこそ、こういった地域のつながりを大事にしたいと思えるイベントでした。
玉代勢の三線の音が止まると同時に、皆さんが手に持ったバルーンアートの“ねずみロケット”を飛ばして、この日のイベントは終了しました。
出典: FANY マガジン
