夏を迎える台湾がいま、熱い――。2年連続で台湾観光アンバサダーを務める妻夫木聡さんは、10回以上現地を訪れている台湾通。妻夫木さんが訪れた場所を中心に、ロハス、カルチャー、グルメ、ショッピングの4テーマで高雄(たかお)の魅力をお届けする。

アートに音楽、“カルチャー発信地”のベイエリアを満喫

台北から高速鉄道で最短1時間半程度でアクセスできる南部最大の経済都市・高雄。

その名は、台湾原住民マカタオ族の言葉「Takau」が、日本統治時代の地方制度改革で音の近い漢字に改名されたもの。湾岸倉庫を改築した「駁二(ボーア―)芸術特区」がある哈瑪星(はません)エリアも旧鉄道「浜線」からきていて、日本の名残が感じられる。

工業都市として栄えた高雄だが文化的発展も目覚ましい。

2006年に大規模ロックフェス「メガポート・フェスティバル」が始まり、18年に「衛武営国家芸術文化センター」、21年に「高雄ミュージックセンター」が開業。24年には高雄ライトレールが全線開通し、利便性が格段に向上した。

妻夫木 聡さん●妻夫木 聡(Satoshi Tsumabuki)俳優 1980年生まれ。ドラマ『すばらしい日々』(98)でデビューし映画『ウォーターボーイズ』(2001)などで注目を集める。映画『人はなぜラブレターを書くのか』が全国で公開中。24年から台湾観光アンバサダーに。

「10回以上台湾を訪れていますが、毎回夢中にさせてくれる場所が見つかります」と妻夫木さん。文化都市として開花した高雄は、いま訪れたい旅先だ。

—fadeinPager—

色鮮やかに甦った、人気のランドマーク
02_DSC08630.jpg 大きく開かれた龍の口から中に入ると、中国古代の書物や、偉人たちを描いた絵画などが展示されている。

台湾高速鉄道の左營(ズゥオイン)からクルマで7分ほどの場所にある蓮池潭は、高雄観光の目玉ともいえる龍虎塔(ロンフーター)や春秋閣、孔子廟といった中国建築が立ち並ぶ風光明媚な観光名所。1976年に建造された7階建ての龍虎塔は、龍の口から入り、虎の口から出るルートで巡ると、福を得て災を避けられるという言い伝えがある。数年間続いていた改修工事が25年1月に完了し、塔の色もいっそう鮮やかに甦った。

「到着した時は雷が鳴っていたのに、龍の口から入って虎の口から出ると雨雲が消えていました。龍が厄を落とし、虎が希望を見せてくれるそうですが、その通りの体験ができました。想像以上のスポットです」と妻夫木さん。

旅の幸を祈願して、高雄観光の始まりにぜひ訪れたい場所だ。

P2607_p104差し替え写真_DSC09082.jpg

清の時代には「鳳山八景」のひとつに数えられた蓮池潭。龍と虎がダイナミックに浮かび上がる。

龍虎塔 ロンフーター
【ロハス】【カルチャー】
住所:高雄市左營區蓮潭路9號 
電話:07-581-9286
営業時間:6時〜17時30分 無休

—fadeinPager—

絶景と台湾茶で、ロハスな時間

地元の人々がハイキングに訪れる人気の景勝地、大崗山(ダ―ガンシャン)の中腹に位置する景観レストラン。2003年のオープンから現在は二代目へと受け継がれ、改装などを経てよりモダンに進化した。農業が盛んな阿蓮エリアののどかな大パノラマを眺めながら、台湾茶や食事が楽しめる。

06_R5II1031.jpg華やかな香りが人気の東方美人茶のティーセット380元、ケーキ180元。

烏龍茶や紅茶、白茶、プーアール茶など、好きな茶葉を選べるお茶菓子付きのティーセットは、茶器一式とともに提供され、淹れ方もていねいに教えてもらえる。残った茶葉は茶缶に入れてお土産に持ち帰ることもできる。ランチとディナーでは身体に優しい定食やひとり用鍋、薬膳鍋を提供。店内では茶葉や茶器、茶菓子の販売も。特に夕方から夜にかけて賑わう人気スポットだ。

04_R5II1241.jpgテラスからは夕陽が沈む様子や、台湾高速鉄道が走る様子も見渡せる。 
05_R5II1175.jpg 先代から受け継がれた趣のある中庭では、音楽イベントなども開催。 

坐看雲起時 ズゥオカンユンチースー
【グルメ】【ロハス】
住所:高雄市阿蓮區菩提二路501號 電話:07-633-1187
営業時間:11時~24時(ランチ11時〜14時、アフタヌーンティー14時〜16時30分、ディナー17時〜21時、以降の時間はドリンクとデザートのみ提供) 休業日:火 

—fadeinPager—

中薬をモダンに解釈した、ファインダイニング

2025年9月、高雄85ビルのほど近くにオープンした、中薬と香辛料、季節の食材を融合したモダン・ファインダイニング。

オーナーは代々、中薬の卸売業を営む家系の出身で、日本料理レストランでのサービス経験が豊富なことから料理や空間には日本的な要素が取り入れられている。

07_R5II0840.jpg

鉄観音茶とほうじ茶を練り込んだ手打ち茶麺。 

店名の「Hābu」は日本語の読み「ハーブ」に由来。中薬に使われる生薬以外にも、薬草や香辛料が用いられているが、説明を受けてはじめて存在に気づくほどの自然な味わいだ。

08_R5II0764.jpg 八寸スタイルで提供される前菜。八寶粥など伝統的な料理をモダンにアレンジ。

満足感がありながら胃にもたれないのが中薬料理の特徴。食材はなるべく台湾産を使用するなど、サステナビリティにも配慮している。四季で変わるコースはおまかせのみで2,480元から。アルコール/ノンアルコールのペアリングセットは各1,400元。

09_R5II0925.jpg

「易經」六十四掛のひとつ、「豐卦」の概念を取り入れた店舗デザインは、有名店を多数手掛ける「硬是設計」による。

Hābu 當代漢方料理 ハーブ ダンダイハン ファンリャオリー
【グルメ】【ロハス】
住所:高雄市前鎮區正勤路27號1樓 電話:07-241-3100
営業時間:18時〜21:時(完全予約制) 休業日:日、月

 

いくたび・ふたたび台湾

 

—fadeinPager—

フェリーで気軽に、リゾートを満喫

哈瑪星(はません)エリアの鼓山からフェリーで10分ほどで気軽にアクセスできる、細長い小島・旗津。オールドストリート「旗津老街」を散策したり、新鮮な海鮮料理を楽しんだり、島を一周できるサイクリングコースを回ったりできる人気のリゾート地だ。旗后山という小さな丘の上には、1883年の建造以来、高雄港を見守ってきた高雄灯台があり、高雄の市街地や西子湾、台湾海峡まで360度の絶景が見渡せる。

10_R5II0464.jpg

旗后山の中腹にある展望台からの景色。フェリーは日中15分おきに運行しており、運賃は片道30元。

昔から軍事的にも重要な位置にあった旗津には、台湾の歴史を学ぶことのできる施設も多い。清の時代に築かれた旗後砲台が古跡に指定され、修復を経て一般公開されているほか、貴重な史料が展示された「戦争と和平記念公園主題館」では日本語での解説もあるので、立ち寄ってみてほしい。

12_R5II0595.jpg 鼓山のフェリー乗り場近くには、かき氷の名店が並ぶ。南部でお馴染みの3色豆花も。
11_R5II0396.jpg フェリーの船着き場。電動自転車をレンタルして旗后山のふもとまで行き、展望台や高雄灯台まで歩くのもお薦め。

鼓山─旗津フェリー グーシャン-チージン フェリー
【ロハス】【カルチャー】
住所:高雄市鼓山區濱海二路1號
(鼓山フェリー乗り場) 
電話:07-551-4316
営業時間:5時〜26時 無休

—fadeinPager—

散策も楽しい、ベイエリアの新しい顔

2021年3月、愛河が流れ出る高雄港の埠頭にオープンした「高雄ミュージックセンター」。海洋都市をコンセプトに、スペインの建築家マヌエル・A・モンテセリン・ラホスと台湾の建築士らによって設計され、散策に最適なベイエリアへと生まれ変わった。

13_R5II1713.jpg ほぼ毎日ライトアップされる「高雄ミュージックセンター」。ビジュアルアイデンティティを統括したのは、台湾を代表するデザイン事務所「JL DESIGN」。

同センターは最大6000人を収容できるミュージックホール「海音館」のほか、屋内商業施設「ソプラノ」「アルトタワー」や、最大約1万人を収容する屋外公演スペース「シーブリーズプラザ」から構成される。

付近には珊瑚礁を模した外観の商業施設「FOCUS 13」、ライブレストランなどが入る6棟のホールが点在し、それらをイルカをモチーフにした全長735mの天空遊歩道がつなぐ。高雄ライトレールの駅も設置され、アクセスも一段と便利になった。

14_R5II1566.jpg アルトタワーには伝説のライブカフェ「海邊的卡夫卡 Kafka by the Sea」など飲食店が入居。

高雄ミュージックセンター たかおミュージックセンター
【カルチャー】
住所:高雄市鹽埕區真愛路1號 電話:07-521-8012
営業時間:10時〜22時 休業日:月曜 


※記事中表記について
・1元(ニュー台湾ドル)=約5円(2026年5月現在)
・日本から台湾への電話は地域番号「886」の後、市街局番最初の「0」は省略してかけます。 
・掲載した店舗の営業時間、休業日、各種料金やサービス内容は予告なしに変わることがあります。
・台南では、クレジットカードを利用できない店舗、施設、タクシーが多いので事前の確認をお薦めします。
・台湾では「先住民」という言葉が「すでに滅びた」というニュアンスで使われるため、「元来その地域で暮らしてきた」という意味で「原住民族」と呼ぶことを政府が定めています。ここでは「台湾原住民」と記載します。台湾には、政府が認めただけでも16の台湾原住民が暮らしています。

Share.