ドック型揚陸艦からの水陸両用車の運用訓練(2025年12月4日、米海兵隊のサイトより)
在沖縄海兵隊、今週中頃にアラビア海進出か
米ウォール・ストリート・ジャーナル(2026.3.14)によると、米国防総省は水陸両用即応群(ARG)の一部の中東派遣を承認し、日本配備の強襲揚陸艦「トリポリ(LHA-7)」(米海軍佐世保基地)とそれに乗艦する海兵隊が中東に向かっているという。
派遣された海兵隊は、沖縄に駐留する第3海兵機動展開部隊(IIIMEF)隷下の第31海兵機動展開隊(MEU)である。同隊は、アジア太平洋地域で唯一、即応機動部隊として常時前方展開している部隊だ。
海兵隊は、様々な事態に対し、迅速かつ柔軟に展開して対応するという機能を果たすため、その戦力は陸上、航空および後方支援部隊が1つのまとまりとして迅速に展開できるよう組織されており、海兵空地任務部隊(MAGTF)と呼ばれている(平成18年版『防衛白書』)。
米海兵隊においては、その規模別に、
・海兵機動展開部隊(MEF:Marine Expeditionary Force):数万人程度(通常4万人程度)
・海兵機動展開旅団(MEB:Marine Expeditionary Brigade):3000~2万人程度
・海兵機動展開隊(MEU:Marine Expeditionary Unit):2000~3000人程度に区分している。
今回派遣されたのは、その最小単位のMEUである。
ARGは通常、3隻の揚陸艦で構成される。1隻はLHA/LHD型の「大型甲板」強襲揚陸艦(中型空母に類似)で、2隻はLPD(ドック型輸送揚陸艦)、LSD(ドック型揚陸艦)と呼ばれる小型の揚陸艦である。
ARGは通常、2000人以上の海兵隊員とその装備(航空機を含む)、および物資を含む海兵機動展開隊(MEU)を搭載する。
強襲揚陸艦トリポリは通常、「サンディエゴ(LPD-22)」と「ニューオーリンズ(LPD-18)」の3隻で強襲揚陸艦群を構成している。
揚陸艦に乗艦する水兵を加えると、ARG全体として約4000人規模と見られる。
トリポリは、海兵隊の「F-35B」統合打撃戦闘機ライトニングIIを運用しており、同機約20機を搭載している。
米海軍協会(USNI)ニュ-ス(2026.3.13)によると、トリポリは3月12日、台湾南方のルソン海峡を単独航行で通過したのが確認されている。
トリポリが単独で中東に向かっているのか、それとも強襲揚陸艦群3隻が向かっているのかは不明である。
南シナ海からアラビア海までの航行日数(Steaming Days)は1週間程度と見積もられ、トリポリは今週半ば頃に同海域へ進出することになろう。
同海域では、すでに数隻の大型水上戦闘艦を伴った最新鋭の「ジェラルド・R・フォード」(排水量10万トン以上)空母打撃群およびニミッツ級(排水量7.4万トン以上)「エイブラハム・リンカーン」空母打撃群と合流することになるが、その後、果たしてどのような作戦が行われることになるのだろうか。
