モスクワ市街で撮影された映像には、複数回にわたる大規模な爆発と黒煙の柱が映っていた。モスクワ市街で撮影された映像には、複数回にわたる大規模な爆発と黒煙の柱が映っていた。SOCIAL MEDIA via REUTERSウクライナ軍が6月18日、モスクワに対して大規模なドローン攻撃を実施し、主要な石油施設に打撃を与えた。ウクライナ政府の発表によると、ドローンはロシアの首都を防衛するために配備された3層の防空網を突破したという。ゼレンスキー大統領は5月上旬、ロシアが多数の防空システムをモスクワへ移転させていると指摘していた。

ウクライナのドローンが、モスクワを防衛するために配備された3層の防空システムを突破し、ロシアの主要石油施設を攻撃した。ウクライナ政府は6月18日、同国による最新の「深部打撃作戦」の成果をそう發表した。

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今回のウクライナによる大規模な攻撃は、ロシア最大級の規模を誇るモスクワ製油所を標的として実施された。同施設に対する攻撃はここ数日で2回目で、2022年の開戦以来、ロシアの首都に対するものとしては最大規模の攻撃とみられている。

「モスクワには3層もの防空システムが展開されている。しかし、以前から言ってきた通り、それでも我々の攻撃は必ず標的に達する」

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は記者団に対し、WhatsAppのチャットを通じてそう自信を見せた。

ゼレンスキー大統領は5月上旬、ロシアが5月9日の戦勝記念日パレード(第二次世界大戦の対独戦勝を祝う軍事パレード)を前に首都の防衛を強化するため、多数の防空システムを他地域からモスクワに移動させたと指摘していた。

さらに大統領は6月18日、こう強調した。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が「この戦争を終わらせる意思を持たず、泥沼化を選ぶのであれば、我々もただ黙って見ているわけにはいかない——必ず反撃する。そしてその反撃は、強力かつ正義に基づいたものでなければならない」と。

「もちろん、ウクライナが敵によって戦火に焼かれることなど誰も望んでいない」とゼレンスキー氏は続けた。「しかし、もしウクライナが燃やされるのであれば、あなた方のモスクワも同じように燃えることになる」。

ウクライナ軍は18日早朝にこの攻撃を公式に認め、最前線から数百マイル(数百キロ)離れた場所にあるモスクワ製油所が、年間1200万トン以上の石油を生産していることを明らかにした。ここから供給される燃料は、ロシア経済だけでなく軍の兵站(補給・輸送など後方支援活動全般)を支える生命線でもある。

モスクワ市街から撮影された映像には、複数回にわたる大規模な爆発と、黒煙が立ち上る様子が収められていた。ある動画では、貯蔵タンクと見られる設備にドローンがが直撃し、その衝撃で上部のふたが空高く吹き飛ぶ生々しい瞬間も確認できる。

ウクライナ軍は製油所周辺での着弾と火災の発生を記録しており、初期の暫定的なデータからは、複数の処理設備が炎上していることが判明しているという。

モスクワのセルゲイ・ソビャニン(Sergey Sobyanin)市長は、18日の未明以降、防空システムが190機以上のウクライナのドローンを撃墜したと発表。ロシア国営メディアのタス通信は同市長のデータを引用し、今回の攻撃が過去2年間で首都に対する最大規模の攻撃になったと報じている。

ソビャニン市長はメッセージアプリのTelegramで、複数のドローンが製油所に到達したことを認めた上で、「被害を最小限に食い止めるための措置を講じている」と投稿した。

ウクライナはこれまでにも、ロシアのエネルギー施設を標的にした長期的な作戦の一環として、モスクワ製油所を幾度となく攻撃してきた。ウクライナ軍の深部打撃能力が向上していくにつれて、モスクワ圏への攻撃が増加している。

ウクライナが長距離ドローンを使ってロシアのエネルギー拠点を攻撃するのは、もはや常套手段となっている。目的は、ロシアの石油収入源を断ち、戦場にいるプーチン大統領の部隊に燃料が渡るのを阻止することだ。

ゼレンスキー大統領はこれを、モスクワに対する「長距離制裁(long-range sanctions)」と呼んでいる。ウクライナ政府は製油所以外にも、ロシアの港湾や飛行場、兵器製造施設などに対しドローンやミサイルによる攻撃を実施してきた。

「重要なのは、ロシアの人々が実感し始めることだ——率直に言って、この戦争を推し進めているのはプーチンというただ1人の人間であり、そのすべての代償を払わされているのは自分たち国民なのだということを」とゼレンスキー氏は記者団に語った。

こうした深部打撃と並行して、ウクライナ側は最前線から最大200マイル(約322km)奥のロシア軍陣地や兵站を標的とする中距離打撃作戦も重要視している。

ウクライナ当局者と紛争アナリストらは、これら一連の攻撃の成功は、この戦争が新たな局面に突入したことを示すものだと分析している。

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