ユーロ円・ポンド円の見通し(2026年6月22日週)

執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人
執筆日時 2026年6月19日 16時00分

ユーロ円とポンド円は、6月15日〜19日にかけてドル高の反動を受けて失速し、それぞれ184円台、212円台まで下落しました。米国の年内利上げ観測が強まったことでユーロ・ポンドが対ドルで売られ、クロス円にも波及した形です。ただし、ドル円が161円台まで上昇したことで下落幅は限定的でした。来週(6月22日〜26日)は、欧米の景況感の差や英国の政治不透明感が重しとなる一方、欧州PMIや英経済指標が巻き返しの材料となるかが焦点となりそうです。

予想レンジ:ユーロ円:182.00-186.50

予想レンジ:ポンド円:210.00-215.00

ユーロ円・ポンド円、ドル高の反動で失速

6月15日~19日のユーロ円は184.286円、ポンド円は212.354円まで下落しました。米国の年内利上げが見通され始め、ドル高が進んだことで、ユーロやポンドが対ドルで下落したことがクロス円にも影響しました。もっとも、ドル円が161円台まで上昇したことで、ユーロ円やポンド円の下落幅は限られました。

(各レート水準は執筆時点のもの)

来週のユーロ円見通し:米国との景況感の差が重しに

ECBが6月11日の理事会で、中東情勢に伴うエネルギー価格上昇によるインフレに対応するため、約3年ぶりの利上げに踏み切ったことは、ユーロの下支え材料となります。ただし、米国でも年内利上げが期待されているうえ、ファンダメンタルズでも米国に優位性があり、ユーロは上値が重い状況です。ユーロが反転上昇するには、米国以上の経済の強さが確認される必要があります。

来週発表される欧州PMIが米国よりも強ければ、ユーロの買い戻しが意識される可能性はあります。一方で、欧州のスタグフレーション(景気後退下のインフレ)懸念が燻るようであれば、相対的にユーロの上値は重くなると考えられます。

来週のポンド円見通し:政治的な不透明感からポンドは買いにくい

6月18日のMPCで金利は3.75%に据え置かれました。米国とイランの和平合意によるエネルギー価格下落や、5月CPIが前年比2.8%と4月から横ばいで(市場予想3.0%を下回る)と落ち着いていることが示されました。また、労働市場も脆弱さが伺える状況で、年内利上げへのハードルは見た目以上に高いかもしれません。

また、英下院の補欠選挙では、バーナム氏の勝利により、スターマー首相への党内圧力が強まり、労働党の指導部を巡る不透明感が意識されやすくなっています。バーナム氏はスターマー首相の財政運営方針を引き継ぐとしているものの、十分に先が見通せる状況にはなく、財政健全化への不透明感は残ります。こうした中では、ポンドの上値は重い展開が続きそうです。

ユーロ円テクニカル分析:185円台半ばが重し、183円台後半の維持が焦点

ユーロ円は、10日移動平均線の185.19円付近、50日移動平均線の185.50円付近を下回っており、上値の重い展開です。短期的にはややユーロ安・円高方向に傾いています。

RSI(9日)は40.0で、売られ過ぎではないものの、勢いは弱めです。上値は185円台半ばから186.50円付近が抵抗帯となりそうです。

下値は183.97円付近の直近安値を割り込むと、182.00円付近まで下落余地が広がります。予想レンジは182.00円〜186.50円。戻りは鈍く、下値を試しやすい局面です。

ポンド円テクニカル分析:214円台が戻りの壁、212円割れに注意

ポンド円は、10日・50日移動平均線の214.20円付近を下回っており、上値の重い展開です。

RSI(9日)は40.0で、売られ過ぎ感はまだ強くありません。下値支持線と見られる、213.30円付近を下回れば、次は212円前後のサポートを維持できるかが焦点となり、そこも割り込むと、210.00円付近まで下落余地が広がります。

上値は214.20円付近が戻りの壁となり、さらに215.00円付近では上値が抑えられやすそうです。予想レンジは210.00円〜215.00円。戻りは鈍く、下値を試しやすい局面です。

【ユーロ円チャート 日足】

ユーロ円 日足テクニカル/移動平均線/RSI 2026年6月19日

ユーロ円 日足/ 10日・50日移動平均線/RSI(9日)外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

【ポンド円チャート 日足】

ポンド円 日足テクニカル分析/移動平均線/RSI 2026年6月19日

ポンド円 日足/10・50日移動平均線/RSI(9日)外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

2026年6月22日〜26日の重要経済指標・イベントスケジュール

6月22日(月)

22:00 アメリカ ウォラーFRB理事、発言
23:00 ユーロ 6月消費者信頼感(速報値)

6月23日(火)〜25日(木)

世界経済フォーラム(WEF)、夏季ダボス会議

6月23日(火)

17:00 ユーロ 6月製造業・サービス業PMI速報値
17:30 イギリス 6月製造業・サービス業PMI速報値
22:45 アメリカ 6月製造業・サービス業PMI速報値

6月24日(水)

08:50 日本 5月企業向けサービス価格指数(前年同月比)
08:50 日本 金融政策決定会合における主な意見(6月15・16日分)
15:40 日本 植田和男日銀総裁、発言
17:00 ドイツ 6月IFO企業景況感指数
23:00 アメリカ 5月新築住宅販売件数

6月25日(木)

08:50 日本 対外対内証券売買契約等の状況
10:00 日本 田村日銀審議委員、発言
15:00 ドイツ 7月GFK消費者信頼感調査
21:30 アメリカ 5月個人所得
21:30 アメリカ 5月個人消費支出(PCE)
21:30 アメリカ 新規失業保険申請件数
21:30 アメリカ 5月耐久財受注
21:30 アメリカ 5月耐久財受注・輸送用機器除く(前月比)
21:30 アメリカ 1-3月期四半期実質国内総生産(GDP、確定値)
28:40 アメリカ NY連銀総裁、発言

6月26日(金)

07:30 アメリカ シカゴ連銀総裁、発言
08:30 日本 6月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く)
23:00 アメリカ 6月ミシガン大学消費者態度指数・確報値
24:30 アメリカ ミネアポリス連銀総裁、発言

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外為どっとコム総合研究所
小野 直人
株式会社DZHフィナンシャルリサーチでの情報配信業務、上田ハーロー株式会社での調査・市場部門を経て、2021年より外為どっとコム総合研究所へ参画。ニュースベンダーとFX会社で培った「情報の目利き力」と「市場実務の経験」を武器に、個人投資家へ有益な情報を発信している。ドル円などの主要通貨に加え、トルコリラ・メキシコペソなどの新興国通貨、日経平均・NYダウといった株価指数(CFD)まで、幅広い金融商品の分析を得意とするマーケットアナリスト。

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