
豆腐を燻製した「畑のチーズ」を紹介する高市範幸さん=能登町当目で
旧柳田村職員として、地域おこしのため、ブルーベリーの特産品化に取り組んだ高市範幸さん(74)=能登町=が、40代前半で退職した後に開業したそば店「夢一輪館」。店名には「自分の夢を一輪咲かすステージに」との思いを込めた。古民家を移築した趣深い店構えで、そばだけでなく、能登の食材にこだわった商品を取りそろえる。
名物のブルーベリーワインに合う食品として考案したのが「畑のチーズ」だ。最初は店の料理に添える程度だったが、次第に人気商品に。地元豆腐店のこだわりの豆腐を能登の桜の木などを使い、2日間かけてじっくり燻製(くんせい)する。チーズのような濃厚な味わいと香りが特徴だ。
塩味、いしり味、みそ味の3種類があり、いずれも地元で作った製品で味付けしている。薄くスライスして、ワインやビールのつまみとして食べるのがおすすめという。店があるのは雪深い地域。お客さんがなかなか来られない冬の時期でも、販売できる商品として重宝した。高市さんは「能登の風味と香りを楽しんでほしい」と語る。
能登半島地震では、柱が割れたり、湧き水を引く配管が壊れたりするなどの被害があった。奥能登豪雨でも被災し、一時は店を諦めようとも考えたが、全国の知人たちが復旧を支援してくれたことで思い直し、営業を続けている。
高市さんは「皆さんに協力してもらったのだから、無責任なことはできない。いずれは後継者を見つけ、店をつないでいきたい」と意気込む。(猿渡健留)
夢一輪館 畑のチーズのほか、そばや能登牛を使ったメニューが人気▽能登町当目28−1▽午前11時〜午後2時。月曜定休▽0768(76)1552
