先日、JR大阪駅(大阪市北区)を利用した際、改札口付近でとあるホワイトボードを発見した。そこに描かれていたのは、マーカーで力強く描かれた列車のイラスト。そして「紀州路を 銀河で彩る天の川」と、一句が添えられていた。手描きならではの迫力と味わいに、思わず足を止めて見入ってしまう。
SNS上でも「駅員さんが描いたんかな? 上手いな」「味わいある素晴らしいマーカー画だ!」「クリエイターが描いた? にしては車両への愛情がパない!」といった声が上がっている。いったい、誰がこの装飾を手掛けたのか。「JR西日本 近畿統括本部」の担当者に話を聞いた。
■「はるか」「かがやき」「銀河」…季節に合わせて登場する手描き装飾
JR大阪駅でホワイトボード装飾が登場するのは、今回で3回目。3月には特急「はるか」、4月には北陸新幹線「かがやき」、そして7月から9月ごろにかけては長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」のイラストが掲出された。いずれも、掲出時期のイベントや車両の運行期間などを踏まえたもので、季節感も楽しめる内容となっている。
JR大阪駅で9月末まで掲出されていたホワイトボード装飾(8月撮影)
この装飾を企画・発案したのは、JR大阪駅の駅係員によるグループ「装飾委員会」だ。「親しみやすい大阪駅」を目指し、有志の駅係員が参加しているという。
イラストを担当するのは、絵を描くことが好きな駅係員。ボードに添えるメッセージや装飾のデザインなども、装飾委員会のメンバーが手掛けている。
■ AI時代にあえて手描きを続ける理由「少しでも温かい空間を」
近年は、飲食店のメニュー表や店内装飾などにも生成AIを活用したイラストが使われるようになった。短時間で制作できるといった利点がある一方、AIによるイラストに抵抗感を持つ人もいるだろう。そうしたなか、JR大阪駅が手描きの装飾を続けるのには、どのような思いがあるのだろうか。
この問いに対し、担当者は「この企画は親しみやすい大阪駅を目指し、お客さまに交流の場を提供したいという考えから始まりました。そのなかで、手書きのイラストを通じて少しでも温かい空間を演出できればと思っています。手書きならではのぬくもりを感じながら、お楽しみいただければ幸いです」と話す。
さらに、「駅をご利用いただくお客さまに、少しでも和んでいただける空間を提供したいという思いで描かせていただいております。そんななかで温かいお言葉を頂戴し、大変うれしく思っております。今後もお客さまにお喜びいただけるように取り組んでまいりますので、ぜひ楽しみにしていただければ幸いです」とコメントした。
今後も登場する可能性があるという、JR大阪駅のホワイトボード装飾。駅を利用する際は、改札口付近にも注目してみては。
取材・文・写真/つちだ四郎
