
新シーズンへの意気込みを語ったヴィッセル神戸・酒井高徳(撮影・後藤 正志)
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Jリーグはシーズンを移行し、7日に開幕する。J1百年構想リーグで優勝した神戸のDF酒井高徳(35)がこの日までに本紙の単独取材に応じ、タイトルへの“飢え”を強調。欧州基準のカレンダーを熟知する闘将は、新しいJリーグでもリーダー役であり続ける決意を示した。 (取材・構成 飯間 健)
日本サッカー界にとって大きな転機となる今季を、酒井は冷静に見つめていた。開幕を控えた心境を問われると「いつも通り、シーズンが始まるな、と。ただ、神戸は夏場に強いイメージがあるので、最初に違いを見せたい。開幕直後なので、出せるパワーも大きい。取れる勝ち点をしっかり取るというのは大事になる」と口にした
欧州基準のカレンダーへの移行は、海外で7年半プレーした闘将にとってなじみ深い。「確実に言えるのは夏を過ぎてしまえば、パフォーマンスを出せる確率が上がる環境だということ。限界まで戦う姿勢やプレーがより多く見られるというのはあるでしょう。尻上がりに状態を上げていけるリーグになっていくのではないかな、と経験した身として思います」とリーグ全体の質向上に期待した。
また、欧州のように開幕後も活発化する可能性のある移籍市場については「欧州は当たり前のように“あ、いなくなるんだ”“あ、来た”という感じで、全然気にしていない」と平然。むしろ「日本は協調性とかチームワークが求められる部分はありますが、海外では“合わなかったら、そいつ(移籍加入選手)が悪い”ぐらいの目で見られる。結果を求められる分、良い重圧になりますし、キャンプを一緒に過ごしていなくてシーズンに入った時にどれだけアジャストするのが早いかは鍵になってくる。チームはそういった点も考えなければいけない部分かも」と独特の視点で今後の展望を語った。
シーズン移行に加え、3年連続のアジア・チャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)出場。例年以上の過密日程がチームを襲う。「いかに疲労を残さないかが大事になる。食事や睡眠を含めて全ての質を上げていかないといけない。皆の力でACLを毎年のように戦えるチームになった。アジア制覇というスローガンは、19年加入時からあったけど、当時は現実味が感じられないものだった。でも掲げていた目標が近づいてきている。自分は結果を残さなければいけない立場ですし、結果を残さなければいけないクラブというものにもなってきている」。見据えるのはリーグとアジアの頂点。抜かりない準備と責任感を口にした。
気づけば神戸での在籍年数は8年目を数える。「在籍期間が最も長いクラブになりましたし、タイトルもたくさん取れた。それまで接点はなかったけど、僕の中では特別なクラブになった。すばらしい街、すばらしいファンの皆さんと環境。純粋に神戸、兵庫県が好きになりました」。だからこそ誓う。
「百年構想リーグ優勝の感覚は持っていません。25年シーズン、鹿島にその座(王者)を取られたので僕たちは挑戦者。取り返しにいく“飢え”みたいなものを見せつけて、ここ数年のタイトルは偶然じゃなくて実力なんだ、と思わせたい」
新時代に突入するJリーグ。神戸がその先頭を突っ走っていく。
◇酒井 高徳(さかい・ごうとく)1991年(平3)3月14日生まれ、米ニューヨーク出身の35歳。新潟ユースから09年にトップ昇格。12年に渡独し、シュツットガルトやハンブルガーSVで活躍。19年夏に神戸へ完全移籍し、23年にはクラブ史上初のJ1制覇に貢献しベスト11選出。W杯は14、18年大会に出場し、国際Aマッチ通算42試合出場。1メートル76、74キロ。利き足は右。
