
レバノンの首都ベイルートにある空港道路沿いで、一部が燃やされた「レバノン・ファースト」とアラビア語で書かれた看板(2026年6月28日撮影)。(c)ibrahim AMRO/AFP
【AFP=時事】イスラエル軍は28日、レバノン南部にある大規模トンネルを破壊した。レバノンの国営メディアは同地域での攻撃を報じ、親イラン武装組織ヒズボラはこれらの攻撃に対して反撃する権利を留保すると表明した。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とイスラエル・カッツ国防相は共同声明で、「長さ200メートル以上、深さ25メートル以上に及ぶこのトンネルには、数百点もの武器のほか、イスラエル国家とその市民を標的とするための複数の発射シャフトが含まれていた。イスラエルは、このインフラを破壊することを事前に米国および在レバノン米国代表に通知していた」と述べた。
レバノン国営通信は28日、南部の都市ナバティエなどへの複数の攻撃を報じた。また、レバノン保健省は、南部でイスラエル軍のスタングレネードにより2人が負傷したと発表している。
この攻撃を受けてヒズボラは「敵が行ったことは、これまで順守してきた停戦に対する明白な違反である。われわれはこれらの違反行為を監視し、追跡しており、祖国と国民を守る権利を留保することを改めて強調する」との声明を発表した。
イスラエルとレバノンは26日、米国の仲介のもとで両国間の和平への道を開き、ヒズボラを武装解除するための3か国の枠組み合意に署名したばかりだった。
ヒズボラは当初からイスラエルとの和平交渉に強く反対しており、今回の合意を拒絶。ヒズボラの最高指導者ナイム・カセム師はこの合意を「屈辱的で恥ずべきものであり、主権の放棄だ」と非難している。
28日、AFPの特派員は首都ベイルートの空港道路沿いで「レバノン・ファースト」と書かれた看板が燃やされているのを目撃した。この道路は、ヒズボラの拠点であるベイルート南部郊外に隣接しており、これまでに設置されていた「イランに感謝」と書かれた広告看板が撤去されていた。
ヒズボラのハッサン・ファドララ議員は28日、「当局が犯した行為は、国を混乱に陥れ、敵との対立を内紛へとすり替えることを狙った扇動に等しい」と批判している。
また、ヒズボラと同盟関係にあるレバノン国民議会のナビハ・ベリ議長も同日、現在の形式での合意は「通過させない」と表明。ベリ氏はこれを「レバノンの権利」を守らない一方的な押し付けであるとし、政治的に対抗していくことを誓うとともに、国内の衝突に警鐘を鳴らしている。
【翻訳編集】AFPBB News
