「新スタの議論をサッカーだけの話にしたくない」理由 岩瀬浩介(ブラウブリッツ秋田代表取締役社長)<2/3>

■雪国ゆえの「365日使われるスタジアム」構想

──ここまでお話を伺ってみて、岩瀬さんが考えるスタジアムは、単なる観戦施設ではないということがよく理解できました。あらためて、秋田にはどのようなスタジアムが必要だと考えているのか、教えてください。

岩瀬 私はまず、今の秋田に合った規模でスタートすることが大事だと思っています。昨年のベガルタ仙台戦では1万3172人が入りましたが、毎試合それだけの観客が来るわけではありません。一方で、あの試合のような需要にも対応できなければならない。ですから、最初から大きすぎず小さすぎず、将来的な拡張性を持たせることが重要だと思っています。

 実は2024年にアメリカのスタジアムを視察した際、とても印象に残った話がありました。現地のオーナーたちは「計画から完成まで5年もかかれば、社会のニーズは変わる」と言うんです。ですから、最初から完成形を決めるのではなく、将来に対応できる余白を残しておく。私はその考え方に強く共感しました。

──人口減少が進む地方では、なおさらそうかもしれませんね。

岩瀬 そう思います。だから私は、秋田の地域性に合ったスタジアムを考えたいんです。広島をそのまま真似するのではなく、秋田の課題に向き合うスタジアムです。その中で私が以前から提案しているのが、インナーコンコースの考え方です。

 一般的なスタジアムのコンコースは、試合の日に人が通るための空間ですよね。でも私は、それだけではもったいないと思っています。コンコースを広く取り、外気を遮断できる構造にすれば、全天候型の屋内空間として活用できます。

──確かに降雪期のことを考えれば、その発想は地域のニーズに合致しますね。

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