ドローンで戦争は様変わり、転換点を迎えたロシアのウクライナ侵攻

数多 久遠

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2026.6.19(金)

ロシアのモスクワにある製油所がウクライナによるドローン攻撃を受け、炎とともに激しい煙が立ち上る様子(2026年6月18日、写真:ロイター/アフロ)

 2026年6月4日、ウクライナのゼレンシキー(注:ウクライナ語の本来の発音に近づけて本稿では「ゼレンシキー」と表記)大統領が、ロシアのプーチン大統領に宛て、戦争終結のための首脳会談を提案し、これを公開書簡として発表しています。しかし、プーチン大統領が即座に拒否したため、会談が開催される見込みはありません。

 この件について各方面の識者が解説していますが、軍事的な視点でロシアによるウクライナ侵略を見ている筆者としては、ゼレンシキー大統領は、プーチン大統領が拒否することを見込んだ上で、今後の軍事作戦遂行のために、この書簡を送ったのではないかと見ています。

 戦場で優勢となりつつあるウクライナにとって、アメリカ、もっと正確に言えばトランプ大統領による横やり、つまり停戦の強要が作戦遂行の障害となりかねないからです。

 ですが、提案をプーチン大統領が拒否したことで、トランプ大統領に対して「プーチンに和平の意志はありません」と言える状態となりました。

全体を見るとウクライナ軍が優勢に

 全面侵攻開始から5年目に突入したこともあり、ウクライナでの戦争に対する日本の注目は低下していますが、戦場では驚くべき変化が生じています。

 2022年に始まったロシアによる全面侵攻は、2023年以降、戦線はほぼ膠着しつつも、兵数、物量に勝るロシア軍がじりじりと占領地を拡大する状態が続いていました。しかし、この4月、5月と2カ月連続でロシアの占領地域は減少しています。

NEW: Ukrainian forces have largely halted the Russian Spring-Summer 2026 offensive so far, and Russian forces in May 2026 have gained a presence in only a fraction of the territory they did in May 2026.

ISW observed evidence to assess that Russian forces gained control of or… pic.twitter.com/nVsW4zfqFq


— Institute for the Study of War (@TheStudyofWar) June 2, 2026

 しかも、これは局所的な反攻の結果ではなく、前線の各所においてロシア軍が後退した結果なのです。

 つまり、依然ロシア軍がウクライナ領内を占領しているものの、戦争全体を見るとウクライナ軍がわずかながら優勢となっているのです。

 昨年(2025年)3月には、ヴァンス米副大統領が「ウクライナにはカードがない」とまで言っていましたが、今ではトランプ大統領がゼレンシキー大統領を褒め称える状態になっています。これは、現在の戦況をアメリカが認識した結果です。

 本稿では、5年目に入っている戦争において、ウクライナが優勢となった2つの大きな理由について解説したいと思います。

エストニアのタリンで開催された北欧・バルト協力(NB8)首相会合において記者会見に出席したウクライナのゼレンシキー大統領(資料写真、2026年6月9日、写真:ロイター/アフロ)

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