15日、独ドイチェ・ヴェレは、EUが対中保護関税の策定を模索する中でドイツ政府内の意見が分かれており、欧州がその動向に注目していることを報じた。

2026年6月15日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、欧州連合(EU)が対中保護関税の策定を模索する中でドイツ政府内の意見が分かれており、欧州がその動向に注目していることを報じた。

記事は独紙ハンデルスブラットの報道を引用。同紙は18日に開催されるEU首脳会議で加盟各国の首脳が中国を対象とした保護関税案の策定を欧州委員会に委任する見通しだと紹介した。

そして、長年にわたりEUが中国の不公平な貿易政策に反撃を試みるたび、ドイツは常に「ブレーキ」の役割を果たしてきたとする一方で、中国の経済的台頭がドイツ経済にとってますます大きな圧力となる中、ドイツの企業や政界も対中政策を再考し始めていると指摘。フォルクスワーゲンでさえ、EU高官との内部的な意思疎通の中で、EUに対して即座に行動を起こすよう求めていると伝えた。

また、ドイツのメルツ首相がこのほど、EUは開放的なグローバル貿易の実現に向けて努力を続けなければならないが、一部の国が共通のルールを守ることを拒む場合は傍観しているわけにはいかないと述べたことに言及した。

記事は、ドイツ政府による方針転換の動きについて、ロンドンに拠点を置くシンクタンク「欧州改革センター(CER)」のチーフエコノミスト、サンダー・トードア氏と米外交問題評議会(CFR)のシニアフェロー、ブラッド・セッツァー氏による調査報告書が大きな役割を果たしたと指摘。両氏が報告書の中で、中国が自動車産業などの基幹産業で急速に輸出を拡大する中で欧州はいわゆる「中国ショック2.0」に直面しており、中でもドイツが最も深刻な打撃を受けているとの認識を示したことを紹介した。

そして、ドイツ政府高官の一人が「メルツ首相はこの調査報告書を精読し、欧州には新しいタイプの貿易ツールが必要であるという結論に至った」と明かしたとも伝えた。

記事は一方で、ドイツ政府は新しい関税ツールをあくまで交渉の切り札として用いるべきとするなど、対中制裁になおも慎重な姿勢を崩していないと指摘。政府内部でも意見が分かれており、外務省が強硬な立場を主張する一方で、経済省はドイツ経済の対中依存度を強調し、自制を呼びかけているとした。

その上で、EUや加盟国の政界関係者が期待のまなざしをドイツに向けており、ドイツが対中強硬路線の姿勢を示せば欧州の他の国々は積極的に追随する可能性があることを伝えた。(編集・翻訳/川尻)

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