内容が乏しい核問題への対応、曖昧で危険な「現状維持」──真の問題解決は先送りに
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2026.6.17(水)
アメリカ 中東・アフリカ
イラン・テヘランで行われた、イランの最高指導者モジュタバ・ハメネイ氏を支持する集会(資料写真、2026年6月4日、写真:ロイター/アフロ)
2026年6月16日、米国とイランが14カ条からなる戦争終結に向けた覚書合意に署名した。
本稿は、UAEの放送局アルアラビーヤ英語版が独自入手した覚書合意文書の全訳と、各条項が持つ意味合いについて、総合的な解説を行うものである。
4月7~8日、パキスタンの仲介の下で米・イランは一時停戦で合意したが、それに続くイスラマバードでの交渉は不調に終わった。米国は4月13日より報復的な海上封鎖をイランに対して発動し、対立はさらに激化した。
その後、パキスタンとカタールが仲介役を務める形で折衝が続き、6月14日にパキスタンのシャフバーズ・シャリーフ首相が米・イラン間でのMOU(Memorandum of Understanding:基本合意書)最終化を発表。同日、トランプ大統領はSNS上で米海軍によるホルムズ海峡封鎖の即時解除を表明した。本MOUは6月19日にスイスで正式署名される見通しである。
14カ条の全訳
第1条 即時・恒久的戦争終結
(注:各条項のサブタイトルは筆者によるもの、以下同)
イラン・イスラム共和国および米国は、現在の戦争における各自の同盟国とともに、本覚書の署名をもって、レバノンを含むすべての戦線における即時かつ恒久的な戦争終結を宣言し、今後は互いに敵対行為を行わず、相互に対する武力の威嚇または行使を慎むことを約束する。最終合意においては、本条および残余条項の規定が確認されるものとする。
第2条 主権尊重・内政不干渉
イラン・イスラム共和国および米国は、相互の主権と領土保全を尊重し、互いの内政に干渉しないことを約束する。
第3条 最終合意に向けた交渉期間
イラン・イスラム共和国および米国は、相互の同意により延長可能な最長60日以内に交渉を行い、最終合意に達することを約束する。
第4条 米国の海上封鎖解除および軍の撤退
本覚書の署名と同時に、米国はイラン・イスラム共和国に対する海上封鎖を解除し、いかなる干渉または妨害も行わないものとし、最大30日以内に航行を戦前の完全な能力まで回復する。船舶の通行量は、イラン・イスラム共和国側の戦前の通行量に比例したものとする。米国はまた、最終合意後30日以内に周辺地域から自国の部隊を撤退させることを約束する。
第5条 イランによるホルムズ海峡の開放
本覚書の署名に際し、イラン・イスラム共和国は、技術的障害の除去およびイランによる機雷の無効化の必要性を考慮した上で、ペルシャ湾からオマーン湾およびその逆の商船の航行を30日以内に戦前の規模に回復させるため、直ちに措置を講じる。
