米国はシリア新政府との関係正常化を模索すると、トランプ大統領が明言した。シリアに対する制裁解除も約束した。

  トランプ氏は14日、サウジアラビアのリヤドで、シリアは10年以上にわたる内戦で経済が荒廃し、世界最悪の一つに数えられる人道・難民危機を引き起こしたが、米国との関係強化は復興への「有効かつ強力な機会になる」と述べた。

  トランプ氏はこの発言に先立ち、シリアのシャラア暫定大統領と短時間の会談を行った。米国とシリアの首脳が会談したのは2000年以来で、当時のクリントン米大統領が昨年打倒されたアサド前大統領の父、ハフェズ・アサド氏と会ったのが最後だった。

  リヤドで湾岸協力会議(GCC)首脳会議に参加したトランプ氏は、「この場にいる首脳らの支持を受け、われわれはシリア新政府との関係正常化について検討を進める」と表明。

  「シリアにとって偉大な機会になる」と述べ、「制裁は極めて強力で、シリア経済は実際に壊滅的な打撃を被った」と続けた。

動画:シリア新政府との関係正常化を模索すると話すトランプ米大統領

Source: Bloomberg

  サウジアラビアと湾岸地域のパートナー国は、シリアをイランの勢力圏から脱却させようと強く後押ししてきた。制裁が緩和されれば国際的な投資が可能になり、シリアが安定と再建に向かう道筋が開かれる。「イスラム国(IS)」などのテロ組織が再び盛り返す事態を防ぐことにもなる。

  4日間の日程で予定するトランプ氏の中東歴訪は、まずサウジの事実上の指導者であるムハンマド皇太子との関係強化で始まった。皇太子は、トランプ氏とシャラア氏の首脳会議にも同席した。

  シャラア氏は国際テロ組織アルカイダの元司令官で、2003年の米国によるイラク侵攻後にアルカイダに加わり、米軍と戦った。11年にシリアでアサド体制に対する蜂起が起きると、同国内でアルカイダの分派を形成。ただ、その後アルカイダとはたもとを分かち、昨年12月のアサド打倒を主導した。

  シャラア氏を支持するカタール、サウジアラビア、トルコなど地域の大国は、米国の制裁が戦略的に重要なシリアの再建と安定の大きな障害になっているとして、解除を強く働き掛けてきた。

イスラエルとは緊張も  

  ただ、米国の対シリア制裁緩和や関係正常化は、シャラア政権を常に警戒し、アサド体制崩壊以降にシリア空爆を繰り返してきたイスラエルとの緊張を招く恐れがある。イスラエル軍はシリア南西部の占領地を拡大し、同国少数派ドルーズ派の保護でも介入した。ドルーズ派は政府軍と激しく衝突した後、国際的な支援を訴えていた。

  トランプ氏は14日、カタール到着後に「われわれはこうすると、イスラエル側には伝えた」と説明。この決定は「非常に好評だった。中東では当然のことだが、実際すべての人々に歓迎されている」と語った。

  トランプ氏とシャラア氏の会談には、トルコのエルドアン大統領も電話で参加した。

  会談では、シリアのインフラや交通の再建をトルコが支援する可能性も話し合われたと、会談内容を知るトルコ政府当局者2人が匿名を条件に明らかにした。

  トランプ氏は、13日夜にリヤドで開かれた米・サウジ投資サミットで、対シリア制裁解除を発表した際、約1時間にわたった演説の中で「最も大きな拍手」を受けたと誇らしげに述べていた。

  トランプ氏によると、ルビオ国務長官がシリア暫定政府のシェイバニ外相と会談し、詳細を詰める。シェイバニ氏はシャラア氏がシリアに創設したアルカイダ分派の最高司令官の一人だった。 

原題:Trump Says US Exploring Normalizing Relations With Syria (2)(抜粋)

(情報を加えて更新します)

Share.