【生成AI事件簿】FIFAが全48チームに配布したAI分析ツール「Football AI Pro」、蓄積された膨大なデータ分析が可能に

小林 啓倫

小林 啓倫
経営コンサルタント

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2026.6.17(水)

IT・デジタル スポーツ

「AIサッカーの民主化」は番狂わせを増やすのか、減らすのか?(筆者がChatGPTで生成)

 2026年6月15日、米アトランタのメルセデス・ベンツ・スタジアム。言わずと知れた欧州の強豪国で、今回も優勝候補の一角であるスペインが最後まで得点を奪えなかった。相手は今大会が初出場、人口約52万人のカボベルデ(カボベルデ共和国)である。試合は0対0。番狂わせとまでは言わずとも、誰もが「健闘」と呼ぶ結果だった。

 その前日、同じく初出場のキュラソーはドイツに1対7で粉砕されている。ただ、キュラソーも人口約15万人の小国で、国土面積は約444平方キロメートル。淡路島(約592平方キロメートル)よりも小さい。そんなキュラソーが、こちらも優勝候補として挙げられているドイツから1点を奪うというのは、歴史的な出来事と言えるだろう。

 他の6月15日の結果を見ても、エジプトはベルギーと1対1で引き分け、サウジアラビアはアブドゥルエラ・アル・アムリの先制点でウルグアイを追い詰め、80分のマキシ・アラウホの同点弾でようやく1対1にされた。優勝候補が軒並み勝ち点を取りこぼした1日となっている。

 なぜこのような結果になったのか。要因の1つとして挙げられているのが、各チームに配布されている「戦術AI」だ。

 FIFA(国際サッカー連盟)は今大会、出場48チームすべてに同一のAI分析ツールを無償で提供した。サッカー史上初の「AI分析の民主化」である。これは番狂わせを増やすのか、それとも消し去るのか。ピッチの上で、その問いがいま試されている。

 話は半年前にさかのぼる。

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