東海大学の秦野伸二副学長(研究担当、医学部教授)と野原徹雄特任教授(総合科学技術研究所)が、4月30日に横浜市・Vlag Yokohama(フラグヨコハマ)で開かれたGTIE神奈川エリアイベント「神奈川からグローバルへ:大学の研究シーズから海外展開への挑戦」(主催=GTIE、東海大学、横浜国立大学、横浜市立大学、協力=神奈川県、川崎市、相模原市、横浜市)に登壇しました。GTIE(Greater Tokyo Innovation Ecosystem:ジータイ)では、東京大学・東京科学大学・早稲田大学が主幹機関を務め、本学を含む首都圏の20大学や地方公共団体、ベンチャーキャピタル、民間企業などが参画。国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の支援事業である「大学発新産業創出基金事業スタートアップ・エコシステム共創プログラム拠点都市プラットフォーム共創支援」に採択され、教員や学生が研究成果を社会実装するために必要な体制づくりを推進しています。

今回のイベントは、神奈川地域における大学発スタートアップ創出の推進と地域ネットワークの強化、国際エコシステムとの接続などを目的に初めて開催されました。当日は、開会に先立ち、秦野副学長が「神奈川県には大きなポテンシャルを持つ大学や研究者がいます。その研究成果を世界につなげていくノウハウを得てスタートアップにつなげるためには、多様なエキスパートの方々に出会うことが非常に有益です。本日の会をぜひ活用していただき、情報交換やネットワーク形成に役立ててください」とあいさつ。続いて主催者であるGTIEを代表して東京科学大学イノベーションデザイン機構長の辻本将晴氏(同大学教授)が、大学間の協力やGTIEへの協力を呼びかけました。

ドイツの起業家ローランド・ファッサウアー氏(CODE University of Applied Sciences教授)を迎えたセッション「エコシステム連携から考える大学シーズの国際展開」に続き、長年スタートアップ支援を手掛ける名倉勝氏(東京科学大学GTIE担当特任教授)がモデレーターを務め、パネルディスカッション「GTIE GAPファンド採択者による世界を見据えた研究シーズの可能性」を実施。野原特任教授ら3名の研究者がそれぞれの研究内容について解説しました※。野原特任教授は「車上での微粒化技術によるCO2吸収・回収システム」について説明。表面微細加工を施した衝突板でCO2吸収液を超微粒化して表面積を最大化し、CO2吸収効率を向上させる仕組みや回収後のCO2再利用などをわかりやすく紹介し、「国際特許出願中で、イギリスやドイツの大学と連携を進めています。欧米ではEV単独ではなくエネルギーミックス回帰の潮流があり、日本のハイブリッド技術や回収したCO2と再生可能エネルギー由来の水素を合成したカーボンニュートラル燃料にあらためて注目が集まっています。このチャンスをとらえ、数年内の実用化を目指したい」と話しました。パネルディスカッションでは、神奈川地域の大学や研究者が有する技術をグローバル市場へと接続していくためには、研究開発・事業化の初期段階から海外展開を視野に入れること、また早期から支援機関等との連携体制を構築することの重要性が強調されるなど、多くの示唆が得られました。最後に、真鍋誠司氏(横浜国立大学大学院教授)が閉会のあいさつに立ち、終了後には、研究機関、官公庁、金融機関など幅広い関係者の交流を目的としたネットワーキングも実施されました。当日は、当初の定員50名を大きく上回る84名が参加し、会場各所では熱気あふれる活発な議論が交わされました。

※パネルディスカッションの登壇者と研究開発課題は以下の通りです。
◆モデレーター
名倉 勝(FoundersNation株式会社代表取締役CEO、東京科学大学GTIE担当 特任教授)
◆車上での微粒化技術によるCO2吸収・回収システム
野原徹雄(東海大学総合科学技術研究所 特任教授)
◆腎癌の層別化を補助するAI診断ソフトの開発と実用化
蓮見壽史(横浜市立大学医学部泌尿器科学 准教授)
◆重層化培養においてヒト毛乳頭細胞の産生するmicroRNAを用いた男性型脱毛症治療
福田淳二(横浜国立大学理工学部 教授)
◆後藤 優(横浜市立大学スタートアップ推進部門副部門長、スタートアッププロデューサー)

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