教員採用試験で合格者の辞退が相次いでいます。採用前の人材確保も大きな課題ですが、さらに重いのは、採用された若い先生が現場で追い詰められていくことです。子どもの前に立つ先生を、どうすれば学校に残せるのか。採用数だけではなく、働き続けられる環境から考える必要があります。
合格しても来ない——採用試験で起きていること
高知県では、教員採用試験の合格者の約六割、多いときには七割が辞退する異例の状況が続いています。試験日程が他県より早いため、受験生にとっては「腕試し」の場になり、合格しても他自治体や民間企業を選ぶ人が出ています。千葉県でも、行政職を含めた採用で合格者の三割を超える四百人以上が内定を辞退しました。採用試験の日程が分散し、併願しやすくなったことも、辞退が増える一因とみられます。
本当に深刻なのは、入った後のこと
気になるのは、採用された後です。鹿児島県の事例では、自己都合で退職する人の約四割を二十代・三十代の若手が占めています。せっかく採用した人材が、数年で学校を離れていく。背景には、学級経営を相談できる相手がいないこと、保護者対応への不安、そして失敗したときに責められる空気があります。理想を持って教壇に立った先生が、孤独のまま毎日を乗り切っているとすれば、それは本人の弱さではなく、学校の仕組みの問題です。
支える側にも、もう余白がない
若手を支えるには、先輩教員の存在が欠かせません。ただ、今の学校では、ベテランや中堅の先生方も、行事や会議、膨大な書類仕事、ICT端末の管理などに追われています。隣の若手の話をゆっくり聞く時間も取りにくい。困っていることに気づいても、一緒に考える余裕がない。そんな職場では、辞めたいと感じる人が出ても不思議ではありません。
「辞めなくて済む学校」をどうつくるか
こうした状況を受けて、新しい仕組みも始まっています。高知県は2026年度から、複数の教師で担任を担う「チーム担任制」を導入する予定です。学校が本来やるべき仕事と、外に出せる仕事を分ける必要があるという提言も出ています。若い先生に「頑張れ」と言うだけでは足りません。失敗を一人で抱え込ませないこと。保護者対応や学級経営をチームで支えること。本来学校が担う必要のない仕事を減らすこと。採用の数を増やすだけでは、同じことが繰り返されます。子どもの隣に先生を残すために、まずは先生が辞めなくて済む学校をつくることが必要です。
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