広島駅新駅ビルの中央アトリウム空間「エキ×デン スクエア」と、広島・岡山・山口の近郊形電車を対象としたブランディングが、それぞれ2026年度の「グッドデザイン賞」を受賞しました。
「エキ×デン スクエア」は、広島電鉄の路面電車が駅ビル2階に直接乗り入れる空間で、交通機能と商業施設を一体化した空間づくりが評価、
一方、近郊形電車(227系)のブランディングでは、各地域の特色を車両の色彩や愛称に反映し、地域への愛着を育む取り組みが評価されました。
広島駅の再整備と、2015年の227系「Red Wing」登場から続く車両デザインの刷新。
広島の公共交通の魅力を高めてきた二つの取り組みが、そろって評価されたことになります。
目次1 広島駅のアトリウムと中国エリアの車両が受賞1.1 広島駅新駅ビル 中央アトリウム空間「エキ×デン スクエア」1.2 中国エリアの近郊形電車のブランディング2 街の魅力を高める、公共交通のデザイン
広島駅のアトリウムと中国エリアの車両が受賞
【JR西日本】:「2026年度グッドデザイン賞」受賞について(ニュースリリース・PDF)
広島駅新駅ビル 中央アトリウム空間「エキ×デン スクエア」
(2025年12月撮影)
「水の都ひろしま」を意識したデザインとともに、事業者や行政の垣根を越え、円滑な乗り換え機能と開放的な滞在空間を両立させた点などが評価されました。
中国エリアの近郊形電車のブランディング
画像出典:【JR西日本】:「2026年度グッドデザイン賞」受賞について(https://www.westjr.co.jp/press/article/2026/10/15/items/261015_00_press_good_design_award.pdf)
227系「Red Wing」自体は、広島エリアに初導入された2015年度にもグッドデザイン賞を受賞しています。
今回の対象は、2023年の岡山エリア「Urara」、2026年の山口エリア「Kizashi」までを含む中国地方全体のエリアデザインが対象です。
各地域の特色を色彩や愛称に反映する一方、共通するデザイン要素によって中国エリア全体としての統一感も確保。社員や地域の人々が参加したデザインづくりも評価されました。
車両のブランディングには、広島に拠点を置くGKデザイン総研広島が携わっています。
【PR TIMES】:中国エリアの近郊形電車のブランディングが「2026年度グッドデザイン賞」を受賞
街の魅力を高める、公共交通のデザイン




地域性を取り入れたデザインは、都市の個性を際立たせ、街への愛着を育むうえで重要な要素です。
日常的に利用する車両や駅の質は、移動時間の快適さにとどまらず、街の景観や都市イメージにも影響します。
今回受賞した広島駅の中央アトリウムは、広島のアイデンティティともいえる豊かな河川の風景を、天井に映り込む水面のきらめき、壁面の形状による水の揺らぎ、川辺の雁木をイメージしたテラスなどで表現した空間となっており、まさにその象徴です。
しかも、行政、JR西日本、広島電鉄という立場の異なる3者が協力し、交通結節機能と商業施設が融合した空間を実現しました。
地域の個性をデザインに反映しながら、交通施設を人々が行き交い、滞在する都市空間へと発展させたことに、大きな意義があると感じます。

2015年の227系「Red Wing」の登場以降、広島のJRを取り巻くデザインは大きく変わりましたね。
旧国鉄時代からの黄色い老朽化した車両から、もみじや大鳥居、カープから着想を得た鮮烈な赤い車両への転換は相当なインパクトでした。
車両の色彩や愛称などを通じて、地域に根ざしたブランドが形づくられてきたと感じます。
なお、「Red Wing」をデザインしたGKデザイン総研広島は、アストラムライン7000系や広電5000形シリーズのデザインにも携わっており、それらもグッドデザイン賞を受賞しています。
広島の公共交通にはデザイン面でも確かな蓄積があることを改めて実感します。
こうした地域性を生かした公共デザインの積み重ねが、地域への愛着を育み、広島ひいては山陽エリアの価値をさらに高めることに繋がります。



