ジュルクテンコ氏によると、ロシアにはこの中間地帯における強固な防衛力が不足している。ウクライナが別の前線で攻勢をかけているため、防衛戦力をこの中間地帯に回す余裕がないことも一因だという。
欧米の軍事アナリストらは、ウクライナによる多彩なドローン攻撃作戦によってロシアの対空防衛網はすでに手薄になっており、どの地域を守るべきかという苦渋の決断をロシアに迫っていると指摘する。新たな攻撃対象地域が加われば、この問題はさらに深刻化するばかりだ。
たとえロシアがほかのドローンを破壊するために設計された迎撃ドローンを大量に配備したとしても、これほど広大なエリアを防衛するには「膨大なリソース」が必要になる、とジュルクテンコ氏は語る。
「いずれにせよ、ロシアがどちらを選択しても、我々にとっては有利な結果になる」と同氏は語った。「だから、我々はただロシアにとっての危険地帯を広げていくだけだ」。
ウクライナ当局者らは、この新型中距離攻撃ドローンによって、かつては安全だったロシア後方の地域が攻撃にさらされるようになり、ウクライナに新たな好機をもたらすと同時に、ロシア軍には新たな重圧をかけていると述べている。
ウクライナ軍の一部門「領土防衛隊」で軍事協力部門の責任者を務めるタラス・ベレゾベツ(Taras Berezovets)氏は5月、中距離攻撃の実現によって、ロシアが「安全だとみなしていた地域が、いまや新たなキルゾーンになった」と述べた。
これは心理的にも物理的にも、ロシアに甚大な問題をもたらしていると同氏は指摘する。
ベレゾベツ氏によれば、ロシア側は「前線に兵器を届けるのに、以前よりはるかに時間がかかるようになっている」という。また、この中距離技術を大量に投入すれば「前線の状況を一変させることになる」と語った。
2026年5月、当時のウクライナ国防相ミハイロ・フェドロフ(Mykhailo Fedorov)氏は「敵の後方はもはや安全な避難場所ではない。我々は主導権を握り、テクノロジーと冷徹な戦略的計算を駆使して、敵の作戦を麻痺させている」と強調。さらに、ウクライナはロシア軍に対して「兵站封鎖」を開始していると語った。
ウクライナ国防省は当時、ここ数カ月で「敵の兵站や補給拠点、その他の標的の破壊件数が4倍に増加した」と発表していた。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelenskyy)大統領は6月、ウクライナがロシアの兵站に「深刻な混乱」をもたらすなど、「中距離および長距離攻撃能力によって重要な成果を上げている」と語っている。

【衛星画像】ウクライナのドローン攻撃を防ぐため、ロシアはクリミアの重要な橋に煙幕を張った | Business Insider Japan
