(CNN) ウクライナのゼレンスキー大統領は23日、ロシアが年内に新たに30万人を動員する可能性が高いと警告した。ウクライナ東部地域の掌握を完遂させる狙い。
ゼレンスキー氏は23日に公表された多岐にわたる発言の中で、ロシア側は今年、甚大な人的損失を被っているにもかかわらず、年末時点でのウクライナ領の占領面積は年初と変わらないとの見方を示した。
「ロシアは年初以降、26万7000人の要員を失った。これまでに死亡したのは約15万5000人だ」
この数字を確認することはできないが、西側当局者の推計とは一致している。
2022年の動員が抗議活動や若者の国外流出を引き起こしたにもかかわらず、ロシアでは新たな動員が行われるとの臆測が出ている。ロシアは来月に議会選挙を控えている。
ゼレンスキー氏は選挙後に動員が実施されるものの主要都市では行われないとの見方を示すとともに、ロシアのプーチン大統領が将官らに年末までにドネツク州の占領を完了するよう命じたとしている。
「ロシアは新たに動員した30万人全員をそこで失う。われわれが全滅させる」
ウクライナはドネツク州の約20%を防衛しており、そこにはスラビャンスクやクラマトルスクなど戦略的に重要な工業地帯も含まれる。
ゼレンスキー氏は、ロシア側がドネツク州の占領を完遂するのは不可能だと述べる一方で、ロシア側がウクライナ北部のハルキウ州やスーミ州への侵攻を試みる可能性も示唆した。
「ロシア側はまだ(ウクライナ北部と国境を接する)ブリャンスク州に部隊を配置していないが、ロシアとの国境沿いに展開された軍事装備は確認できる」

地対空ミサイルシステム「パトリオット」の前に立つゼレンスキー大統領=2024年、ドイツ/Jens Büttner/Pool/Getty Images
ゼレンスキー氏はまた、ウクライナはロシア国内の弾道ミサイル発射拠点を探していると述べた。
ロシアの軍需産業には年間約1300発の弾道ミサイルを製造する能力がある可能性があるという。
ウクライナは長距離ドローン(無人機)や独自の巡航ミサイルを開発しており、ロシア国内で攻撃対象を拡大するために使用している。
ゼレンスキー氏は、衛星通信スターリンクからロシア領の衛星画像を取得する取り組みについても語った。
スターリンクを運営する米スペースXのイーロン・マスク氏は、「これを行えば、ウクライナ側がロシアに対して大規模なエスカレーションを引き起こしかねないと考えている」という。
ゼレンスキー氏は、「マスク氏は戦争を長引かせるのではなく、終わらせることに賛成だと語った」とし、米政府との協議は続いていると説明した。
戦争終結に向けた交渉機会が開かれている期間は、米大統領選の選挙活動が始まる来年夏の終わりまでだとの見方も示した。
米国のスティーブ・ウィトコフ特使とトランプ氏の長女の夫ジャレッド・クシュナー氏は、「ウクライナがドンバスから撤退したり、ほかの受け入れがたい解決策を認めたりすることなく、ロシア側がこの戦争の終結に同意するような枠組みを見いだすのに非常に苦労している」という。
「ジャレッド氏、スティーブ氏、そして私は、こうしたすべての議論を1ページにまとめ、戦争を終わらせるための現実的な選択肢を示すことで合意した。これが、米国側がわれわれやロシア側と協議したいと考えている内容だ」
