今年の7月23日は、エルサレム神殿の崩壊や数々の災難を嘆き悲しむ「ティシャベアブ」(ユダヤ暦アブ月の9日)だった。ユダヤ人たちが1日断食するので、エルサレム市内の多くの店は閉まっていた。

7月23日、エルサレム旧市街の「嘆きの壁(西の壁)」で、ティシャベアブの祈りを捧げるユダヤ教徒 (EPA時事)7月23日、エルサレム旧市街の「嘆きの壁(西の壁)」で、ティシャベアブの祈りを捧げるユダヤ教徒 (EPA時事)

 公共の交通機関は通常どおり動いている。行きつけのコーヒー店は開いていたが、飲食サービスは禁じられているというので、コーヒー豆だけ買って帰った。

 紀元前586年のこの日、ソロモン王によって建てられた第1神殿が、バビロンの王ネブカドネザル2世によって破壊された。バビロン捕囚から帰還したユダヤ人によって建てられた第2神殿は紀元70年のこの日、ローマ軍のティトゥス将軍によって破壊された。そして、多くのユダヤ人が世界各地へ散らばっていった。

 敬虔(けいけん)なユダヤ教徒はこの日、飲食を一切絶ち、エルサレム旧市街にあるユダヤ教の聖地「嘆きの壁(西の壁)」やシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)で、預言者エレミヤによって書かれたとされる哀歌を朗読する。また、歴史的な悲しみに意識を向けさせるため、体を洗うこと、革製の靴やサンダルを履くこと、オイルやクリームの使用、夫婦間の性交渉が禁じられている。

 ユダヤ人たちは、神殿崩壊の理由を、殺人や不道徳、偶像崇拝などの罪を犯したからだと考える。かつて神殿があった「神殿の丘」には、数千人のユダヤ教徒が訪れ、祈りをささげた。

 エルサレムは現在、着実に再建されている。市内は高層ビルの建設ラッシュだ。(M)

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