基礎研究の重要性が改めて注目される中、その意義や、国内、特に地方に点在する多様な研究拠点が果たす役割について参加者とともに考え、共有することを目的として、令和8年7月29日(水)、愛媛大学南加記念ホールにおいて、「知はどこで生まれ、輝くのか-地方大学から発信する研究拠点の力-」をテーマとした二部制のシンポジウムを、会場およびオンラインによるハイブリッドで開催しました。

17時から開催された第二部の特別講演では、仁科弘重学長による開会挨拶の後、次代を担う若い世代から社会人まで、幅広い方々に科学の魅力を感じていただくことを目的として、ニュートリノ研究により2015年にノーベル物理学賞を受賞した梶田隆章 東京大学卓越教授(宇宙線研究所)・特別栄誉教授に「科学の楽しさと大切さ~私の経験から~」と題した講演をいただきました。ご自身の研究者としての経験をもとに、未知の現象を探究する面白さや、失敗を重ねながら新たな発見へとつなげていく研究の醍醐味、学び続けることの大切さを語ってくださいました。

講演の中では、専門的な研究内容だけでなく、研究に向き合う姿勢や好奇心を持ち続けることの重要性についても紹介され、カミオカンデで超新星ニュートリノを観測してノーベル物理学賞を受賞した小柴先生の「観測できたのは準備をしていた人だけ」という言葉や、「自然科学は人類の知の地平線を広げる仕事。良い成果ばかりが出るわけではありませんが、それでも人生をかける価値があるものだと思います」という梶田先生ご自身の想いも語られました。

質疑応答では、高校生の方々を中心に、自分の専門分野をどのように選択するのか、自身が取り組む実験や探究活動で直面した課題をどのように乗り越えればよいか、疑問を持ち続けるにはどのようにしたらよいか、研究活動で挫折した場合にどのように乗り越えるのか、などの質問がありました。さらには、小学生の参加者から「サファイアの鏡には霜が付くのでダイヤモンドの方が良いのではないか」といった、あたかも装置開発の現場での議論のようなコメントもありました。会場にて多くのやり取りが行われる中で、梶田教授は、常に対象に真摯に向き合うことやチームとして進めることの大切さなど一つ一つの質問に応じました。

最後に、満田憲昭理事・副学長による閉会挨拶が行われ、第二部は終了しました。                                

仁科学長による開会挨拶

梶田東京大学卓越教授による講演

梶田隆章 東京大学卓越教授

質疑応答の様子(松山市立椿小4年 小立佐和乃さん)

また、特別講演に先立ち、13時半から開催された第一部では、 先端研究院長の岩田久人教授による開会挨拶の後、文部科学省大学研究基盤整備課の石田善顕課長から、地域の知の拠点である国立大学には、それぞれの特徴と強みを活かしながら、新たな知の創出と研究ネットワークの形成を通じて、我が国の学術研究を牽引していく役割に期待している旨の挨拶を頂きました。

次に、岐阜聖徳学園大学の観山正見学長(元国立天文台長)による「共同利用・共同研究の推進」と題した講演で、日本における研究拠点の特長や共同利用・共同研究体制の意義、研究拠点が果たしてきた役割などについて紹介してくださいました。

続いて、先端研究院地球深部ダイナミクス研究センターの入舩徹男特別栄誉教授(前先端研究院長)から「地方大学における研究戦略~愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センターの設立と軌跡~」と題して、また、長崎大学熱帯医学研究所の金子聰所長から「特化型研究所としての「生存と進化」~長崎大学熱帯医学研究所の軌跡と生き残り戦略~」と題し、それぞれの研究拠点の設立経緯や発展の歩み、地方大学における研究拠点の存在意義や将来展望についての講演がありました。

それぞれの講演後の質疑応答では、研究拠点の評価や産学連携のあり方、研究拠点の学内での役割や協働など、研究拠点の機能と将来についての質問や意見が寄せられました。

最後に、先端研究院副院長の澤崎達也教授による閉会挨拶が行われ、第一部は終了しました。

文部科学省大学研究基盤整備課 石田善顕課長

愛媛大学 入舩徹男特別栄誉教授

岐阜聖徳学園大学 観山正見学長

長崎大学熱帯医学研究所 金子聰所長

<先端研究院>

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