
カナダ第2の規模を誇るウエストジェットは、客室乗務員が所属するカナダ公務員労組(CUPE)との労使交渉が決裂し、現地時間2026年8月2日よりストライキに突入しました。
今回のストライキの影響を受けているのは、同社の主力機材であるボーイング737型機および787型機で運航される便であり、これらは事実上の全便運航停止状態となっています。一方、子会社であるウエストジェット・アンコールがボンバルディアQ400型機で運航する近距離便や、提携航空会社によるコードシェア便については影響を受けておらず、通常通り運航されています。
最大の争点となっているのは、昨年のエア・カナダのストライキでも核心的な問題となった「地上業務に対する未払い給与」です。
同社はこれまで、ドアが閉まってから開くまで(ブロックタイム)のみを計算の対象とする「クレジット・アワー・システム」が採用されてきました。しかし、CUPE側は、搭乗前のブリーフィング、機内準備、搭乗・降機時の乗客対応、フライト遅延時の待機など、地上滞在期間中に行われる業務に対して正当な報酬が支払われていないと主張しています。「すべての労働時間に対して正当な報酬が支払われるべきだ」として、抜本的な給与体系の見直しを求めています。
これに対しウエストジェット側は、現在のシステムは地上業務を包括して評価し、高い基本時給を設定していると説明しています。さらに、初年度の2桁の賃上げや職務手当の追加、フライト前後の時間をカバーする新たな時給制の導入など、カナダにおける客室乗務員の新たな待遇基準となる提案を行ったとしています。しかし、組合側はこれを不十分として拒否し、約11ヶ月に及んだ交渉は決裂に至りました。
CUPE側は、昨年のエア・カナダのストライキにおいて政府が介入し業務復帰命令を出した経緯を踏まえ、今回の交渉においてカナダ連邦政府が介入しないよう強く牽制しています。
カナダの航空業界では、エア・カナダに続きウエストジェットでも同様の争点でストライキが発生したことで、客室乗務員の労働条件と給与体系の根本的な改革を求める動きが強まっています。今後の交渉の行方や政府の対応は、北米をはじめとする他国の航空業界にも少なからず波及する可能性があります。Photo : West Jet
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