(CNN) スペインで発生した大規模な山火事で、避難を強いられたのは人間だけではなかった。
猛火が迫る中、鳥類から爬虫類、大型ネコ類に至るまで、あらゆる動物たちを救う必要があった。
サファリパークの「サファリ・マドリード」では、飼育員らが園内にとどまり続け、動物たちを空調の効いた屋内施設へ避難させた。空がオレンジ色に染まって灰色の煙が立ち込めると、周辺に水をまいて火災を食い止めようとした。
マドリード西部で発生した山火事の被害は約340平方キロに及んだ。サファリ・マドリードをはじめ同地の農場や動物保護施設は、数えきれない動物たちの救助に全力を尽くした。
マドリード西郊にあるサン・マルティン・デ・バルデイグレシアスでは、闘牛場を改装して馬やロバ、ヤギ、犬、猫などを避難させた。
Spanish Civil Guard
スペインの治安警備隊も動いた。「どんな種であれ、誰も置き去りにはしない」とインスタグラムに投稿。隊員が各地の農場で馬やヤギを避難させたり、牛や鶏をなだめたり、ダチョウやラクダ、ワニの様子を確認したりする動画を公開している。
別の動画では、隊員が飼い猫や飼い犬を救出していた。
Spanish Civil Guard
「我々が避難させた時はどうすることもできずに混乱し、ただ固まっていた。それでも家族の一員だ。こんな状況ではなおさらだ」
サファリ・マドリードは飼育している約1000頭に加え、近くにある野生生物保護施設クーナ・イベリカから避難させた動物も受け入れた。
火の手が迫る中で、ユーラシアオオヤマネコ1頭とイベリアオオカミ1頭は麻酔をかけて移送し、ハゲワシ4羽も預かった。
クーナ・イベリカの動物や猛禽類は、アルフォンソXエルサビオ大学の施設や別の野生生物保護施設にも避難させた。
「こんな状況を経験したことも、こんな火災に遭ったこともなかった。(避難は)大急ぎで行われ、できる限り最善を尽くした」とクーナ・イベリカの施設長は話す。
残る動物たちについてはゲートを開放して一時的に外へ逃がし、翌朝に収容して世話をした。いずれも野生に戻すことができず、人の世話に頼る動物だったことから、近くにとどまっていて安全な状況になるとすぐに戻ってきた。施設からわずか10メートルの距離にまで火災が迫る危険な状況だったが、動物たちにけがはなかったという。
サファリ・マドリードでは、火の手が500メートルの距離にまで迫った後、風向きが変わった。それでもまだ危険は残っていた。
Safari Madrid
「その日は焼け跡の山林を調べ、まだくすぶっていて発火する恐れのある丸太を消火した」と広報はCNNに語った。
飼育員は2夜連続で警戒を続け、2晩目はようやく安心して仮眠を取ることができた。「ある程度の懸念はあったものの、日ごとに状況は改善した」という。
動物たちは全て無事だったが、中には屋内施設から長時間出られなかったことで多少興奮気味の動物もいた。若いオスのアジアゾウはやや落ち着きがなくなったものの、心配はないとしている。

屋内の飼育舎にいるゾウの世話をする様子/Safari Madrid
クーナ・イベリカの動物たちは全て、無事に元の施設に戻った。
サファリ・マドリードも今は動物たちが普段の飼育舎に戻り、営業を再開している。
