2026.07.28

 大塚製薬は27日、1 日 1 回投与の徐放性製剤 「シントリオ」(一般名:センタナファジン)について、24日(米国時間)に米国FDAより注意欠如・多動症(ADHD)治療薬として販売承認を取得したと発表した。
 対象は、6 歳以上(20kg 以上)の児童、青少年、成人の注意欠如・多動症治療薬。
 シントリオは、脳内の神経伝達物質である3つのモノアミン(ノルエピネフリン、ドパミン、セロトニン)の再取り込みを阻害するNDSRIで、米国においてはcentral nervous system stimulant に分類される。ADHDの治療領域において初めて承認されたNDSRIであり、新しい作用機序を有するファースト・イン・クラスの治療薬として、患者や医療従事者に新たな治療選択肢を提供する。
 ADHDは、多様な症状を示し、個々の治療ニーズが一人ひとり異なる複雑な疾患だ。不注意、多動性・衝動性といった症状はノルエピネフリン、ドパミン、セロトニン神経系において神経伝達の調節異常が関与しており、シントリオはこれら 3つのモノアミンの再取り込みを阻害することで薬理作用を発揮する。
 同剤は、今後、米国麻薬取締局(DEA)による規制区分指定手続きを経て、2026年中に発売する予定である。
 今回の承認は、児童、青少年、成人の患者さんを対象にSIMTRIYOの有効性と安全性を評価した4つのP3試験結果に基づくもの。いずれの試験においても、シントリオ群はプラセボ群と比較し、ADHD 症状に対して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示した。
 症状評価は、児童・青少年には「ADHD 評価スケール第5版(ADHD-RS-5)」、成人には ADHD 症状評価スケール「Adult Investigator Symptom Rating Scale(AISRS)」が用いられた。
 成人、児童・青少年を対象とした臨床試験では、投与1週目からADHD症状の改善が認められ、6週間の治療期間を通じて維持された。主な有害事象は、児童・青少年では食欲減退、悪心、発疹、頭痛および腹痛、成人では頭痛、食欲減退、不眠、悪心、口渇および下痢であった。
 大塚製薬は、追加の臨床研究を通じて、シントリオに関するエビデンスの拡充を進めている。不安症を併発する成人ADHD患者を対象としたP3b試験において、シントリオはプラセボと比較して ADHD 症状の統計学的に有意な改善を示し、その臨床プロファイルに関する新たな知見が得られている。P3b試験の結果の詳細は、今後開催される学会で発表する予定である。

◆John Kraus Otsuka Pharmaceutical Development & Commercialization(OPDC)上級副社長兼医学責任者のコメント
 シントリオの承認は、新たな治療アプローチをもたらすものであり、ADHD とともに生きる人々にとって重要な節目となる。ADHD は、患者さんごとに症状やニーズが異なる複雑な疾患であり、児童期、思春期、成人期を通じて影響を及ぼす可能性がある。
 今回の承認は、ADHDを有する患者さんや家族の多様なニーズに応える革新的な治療選択肢の提供に向けた当社の取り組みの成果である。

◆ニューヨーク大学ランゴン・ヘルス 成人 ADHD プログラム責任者である Lenard A. Adler氏のコメント
 ADHDは、学校生活、仕事、人間関係など、日常生活のさまざまな側面に大きな影響を及ぼす可能性がある。治療を受けている場合でも、ADHDの症状や特性は患者さんごとに大きく異なるため、多くの患者さんで日常生活に支障を来す症状が残る場合がある。
 シントリオの承認により、患者さんと医療従事者の治療選択肢が広がる。ADHD は患者さんごとに症状やニーズが異なるため、それぞれに適した治療を選択することが重要であり、治療選択肢が増えることには大きな意義がある。

医薬通信社

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