7月16日、事実上の更迭が決まり、記者会見を開くウクライナのフェドロフ国防相(写真:共同通信社)

[ロンドン発]ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はミハイロ・フェドロフ国防相を更迭し7月16日、国防相代行にイェヴヘニー・フマラ保安庁長官代行を当てると発表した。今回の更迭劇はキーウ、リヴィウ、ハルキウなど18都市以上で抗議デモを引き起こした。

大統領選ではゼレンスキー陣営のデジタル戦略責任者

 議会での承認投票は延期されている。フェドロフ氏の右腕としてドローン(無人機)戦や電磁波戦を支えてきた国防省技術顧問ら2人が「もう国防省への協力は行わない」として辞任。ウクライナ空軍副司令官もフェドロフ氏更迭に抗議して辞任した。

 フェドロフ氏はウクライナのデジタル革命を主導、ロシアとの戦争を人類史上初の本格的なデジタル・ドローン戦争へと進化させた若きリーダーだ。もとはデジタルマーケティング分野の起業家で「シリコンバレー的手法で国防を再定義した人物」と評される。

 フェドロフ氏はソ連が崩壊した1991年にウクライナ南部ザポリージャ州で生まれた。ザポリージャ国立大学社会学・経営学部で学び、デジタルマーケティング企業を立ち上げた。SNS広告やターゲットマーケティング、自動化システムを駆使して実績を積んだ。

 2019年ウクライナ大統領選でコメディアンだったゼレンスキー氏陣営のデジタル戦略責任者に抜擢された。SNSやオンラインによるターゲット広告を駆使し、若い有権者を巻き込んで低予算のデジタル選挙戦を主導し、ゼレンスキー氏圧勝の推進力となった。

2019年5月23日、ウクライナのキエフでIT関連の会議に出席した同国のウォロディミル・ゼレンスキー大統領(左)と顧問のミハイロ・フェドロフ氏(写真:ロイター/アフロ)

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