高知の豊かな風土が育む食の魅力を紹介する『土佐のfood記』です。
今回は、高知県民のソウルフード、アイスクリンです。「1×1」でお馴染みのアイスクリンメーカーの製造現場に、潜入取材してきました。
■揚田葵衣アナウンサー
「日曜市が行われている、高知市追手筋。これからの時期特に食べたくなるのがアイスクリン。1つ白、お願いします」
■松本さん
「はいどうぞ」
■揚田葵衣アナウンサー
「高知県民にとってソウルフード、馴染みの味」
■松本さん
「お年寄りの人がよく『高知に帰ってきたら必ず食べないかん』と言ってくれる。あっさりとした、誰が食べてもおいしいというような味ですね」
サクサク、シャリシャリとした食感に、あっさりした味わいの高知名物アイスクリン。
高知では、今から105年前、大正10年にアイスクリンの組合が設立され、製造や販売が広がりました。
今も観光地や道路脇などで、テントやパラソルの店が並ぶ風景は、高知ならでは。
世代を超えて親しまれてきた、懐かしの味です。
今も県内各地にアイスクリンメーカーがありますが、その1つ「1×1のアイスクリン」でおなじみの、「高知アイスクリーム」です。
75年以上親しまれてきたそのおいしさは、どのように作られているのでしょうか。
今回、特別に製造現場を見せてもらいます。
■高知アイスクリーム 五百蔵社長
「全国放送からも取材依頼が来ていましたけど、忙しいので前社長が断ってきたという感じです」
「前社長から店を閉めるという話があって、1×1を潰すわけにはいかないので引き継ぐ形で、この6月から会社を設立して新しいスタートをしたので。これを機会にもう一度皆さんに1×1を知っていただくために取材を受けることにしました」
では、製造現場を見せてもらいましょう。
■揚田葵衣アナウンサー
「潜入です!」
まずは材料の調合です。シンプルで昔ながらの味が命のアイスクリン。わずかな配合の違いが、その味を左右しますが…
では、ここで問題です。あっさりした味わいが特徴のアイスクリン。一般的なアイスクリームと比べて、アイスクリンには使われていないものはどれでしょう?
①砂糖 ②卵 ③牛乳
河内さん、どれだと思いますか?
RKCアプリで視聴者のみなさんに回答してもらった結果はこちら。
正解は「牛乳」。
■製造担当者
「とにかく全部が手作業なので、効率は悪いですけど、伝統の味を守るとなったら、変わらずこういう形でやっています」
材料をしっかり低温殺菌したあと、撹拌しながら冷却します。
ここで味の決め手となる、「バナナの香料」も秘伝の割合で加えます。
このほのかなバナナの香りも、昔から親しまれてきたアイスクリンならではのおいしさです。
■製造担当者
「(香料が)廃番になって、自分たちで試行錯誤して近い味を探した」
香料を混ぜると、一気に甘い香りが漂います。
■揚田葵衣アナウンサー
「わーすごい、もうアイスクリンの香りがします」
液状のアイスクリンをさらに冷却します。
工場内には、10年ほど前まで使われていた「フリーザー」という機械も。
溶かした塩化カルシウムをガスで冷却してアイスクリンを冷やしていたそうです。
■製造担当者
「昭和の町工場で作ってもらった機械ですので、部品とかも無くなって。多分もう日本中探しても同じような機械は中々ないと思います」
さて、冷却が終わりアイスクリンができたようです。
■揚田葵衣アナウンサー
「こんな感じで出てくるんですか!すごい、とめどなくアイスクリンが」
ここで登場するのが「しゃもじ」。
■製造担当者
「シャリシャリ食感を出したいので、中に空気が入っていますので、空気を押し出すイメージで」
■揚田葵衣アナウンサー
「空気があると口当たりが」
■製造担当者
「ふわっとしますので、空気を抜くように」
カップや大容量サイズのパック詰めも全て手作業で。カップアイスは、1日で900個分詰めるそうです。
■揚田葵衣アナウンサー
「パンパンに詰まっていますね。やっぱりアイスはお好きなんですか?」
■製造担当者
「大好きです(笑)」
■揚田葵衣アナウンサー
「特別に、できたてをいただきます。うわ柔らか!食感がすごくなめらか、でも味はちゃんとバナナ風味のアイスクリンです、おいしい!」
この後、さらに冷やし固めることで、あのサクサク食感になるそうです。
高知アイスクリームでは現在、定番の白のほか、いちごやソーダ、店頭限定のコーヒーなど、8種類を製造しています。お店では、好みの種類を選んで味わうこともできます。
■揚田葵衣アナウンサー
「アイスクリンらしい、サクサクシャリシャリ食感。甘さもあっさりしているので、後味もさっぱり。こんな暑い日にぴったりですね」
のぼりや看板でよく見る「1×1=1」。この言葉には、どんな思いが込められているのでしょうか。
■高知アイスクリーム 五百蔵社長
「『伝統一番・味一番・信用一番』という意味です。やることはほとんど昔から変わっていないんですけど、これから伝統の味を守り続けるために、一生懸命頑張っていきたいと思います」
高知名物アイスクリン。変わらない味の裏には、守り続ける人たちの思いがありました。
