アストンマーティン・ホンダにとって、チームの母国となるシルバーストンでの2026年F1第9戦イギリスGPの決勝は、再びパフォーマンス不足と信頼性の欠如を痛感させられる厳しいレースとなった。
とりわけフェルナンド・アロンソは、レース開始前のフォーメーションラップで「突如としてマシンの電源が落ちる」という予期せぬ深刻なトラブルに見舞われた。
なんとか再始動には成功したものの、ピットレーンからのスタートを強いられ、最終的に18位でレースを終えることとなった。
ピット発進を招いた「車体システムトラブル」
Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited
シルバーストーン・サーキットを走行するフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・ホンダ)、2026年7月5日(日) F1イギリスGP決勝
アロンソはレース後、スタート前に起きた出来事について「フォーメーションラップ中にマシンの電源が落ちてしまったんだ。なんとか再起動させることはできたけれど、一体何が起きたのか、調査して突き止める必要がある」と語り、原因究明の必要性を強調した。
また、「あの時は、これでおしまいだと思った」とも語り、DNS(決勝不出走)を覚悟していたとも明かした。
この問題の原因について、現場チームを統括するマイク・クラックは「マシンのシステムトラブル」だと説明し、車体側に起因する問題である可能性を強く示唆した。
そのうえで、ピットレーンスタートを余儀なくされたことに触れ、「原因をさらに調査しなければならない」と事態の深刻さを認めた。
トラブルに直面しながらも、最後尾からの追い上げに挑んだアロンソは、ミディアムタイヤからハードタイヤへとつなぎ、セーフティーカー(SC)導入時にソフトタイヤへ交換する2ストップ戦略を敢行した。
レース内容についてアロンソは、「マシンの開発に役立てるため、できる限りのことを学ぼうとした。シーズンの後半でいくらか改善が見られることを期待している」と語り、あくまで先を見据えたテスト走行と割り切るベテランらしい姿勢を見せた。
5戦ぶりのダブル完走、ホンダ手応え
アップグレードの投入まで苦しい戦いが続く一方、パワーユニット(PU)を供給するホンダ陣営は、この日のレースに前向きな材料を見出していた。
ホンダ・レーシング(HRC)の折原伸太郎トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアは、「2台揃ってレースディスタンスを走り切ったのはマイアミGP以来です。直近2戦ではPUの信頼性に課題を抱えていただけに、この結果は前向きに受け止めています」と語り、完走を果たした意義を強調した。
エネルギーマネジメントが難しいとされるシルバーストンにおいて、ホンダはフリー走行やスプリントレースでのデータをもとに、現在のPUパッケージに合わせたセッティングをさらに最適化して予選・決勝に臨んでいた。
その結果、予選後にはアロンソから「ドライバビリティの一貫性やエネルギーマネジメントについて、オーストリアGPに続いて手応えを感じているとのフィードバックが得られた」という。
「まだ私たちが目指すレベルには達していませんが、チームとの取り組みが正しい方向に進んでいることを示すものだと考えています」と折原TGMは手応えを口にした。
Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited
ドライバーズパレードでレゴ製カートを運転するフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・ホンダ)、2026年7月5日(日) F1イギリスGP決勝(シルバーストーン・サーキット)
