ラグビーネーションズ選手権2026第1節 日本27―10イタリア ( 2026年7月4日 東京・秩父宮ラグビー場 )

<日本・イタリア>代表デビュー戦でフル出場し、勝利に貢献した伊藤は明大の先輩・広瀬に飛びつき抱き合って喜ぶ(撮影・篠原岳夫)
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世界ランキング12位の日本は同10位のイタリアを27―10で破り、新設の国際大会初戦を白星で飾った。イタリアから8年ぶりの勝利で、対戦成績は3勝8敗。代表初キャップとなった明大4年のSO伊藤龍之介(21)がフル出場し、3トライを奪うアタックをけん引した。エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC、66)の復帰3シーズン目で、上々のスタートを切った。次戦は11日にオーストラリアで同3位のアイルランドと対戦する。
現役大学生とは思えない堂々たるプレーで、伊藤が26年テストマッチ初戦の日本を勝利に導いた。2万人を超える大観衆の歓声と拍手を気持ちよさそうに浴びる表情には、まだあどけなさが残る。「今までと違って凄く緊張した部分があったが、勝利で終われて率直にうれしい」と、身長1メートル72の小さな体から肩の荷を下ろした。
1週間前のマオリ・オールブラックス戦では前半に3トライをアシストしたが、後半は自身のボールロストから2トライを許した。80分間のゲームマネジメントが問われた一戦で、期待を上回る進化を見せつけたのは前半7分だ。連続攻撃でラインを下げられていると見るや、中盤からハイパントキック。WTB植田が競って相手の落球を誘い、その後のスクラムからチーム初トライへつなぐ好判断となった。
海外リーグを経験したSH斎藤、明大の先輩でもあるCTB広瀬ら周囲の声かけも好判断につながり「助けてもらっての結果」と謙遜したが、大学レベルとは段違いのプレッシャー下でスキルを発揮するのは並大抵の21歳ではできない。ジョーンズHC肝いりの若手育成プロジェクトに1年目から抜てきされ、U23代表でも海外遠征を経験して着実に成長している。
来年のW杯の新たな10番候補が生まれた意味は大きい。4月の豪州遠征中の不適切発言により、活動停止中のジョーンズHCに代わって指揮を執ったニール・ハットリーHC代行も「(伊藤ら)初キャップ4人がインパクトを与えてくれた」と称えた。
終盤はトライにはつながらなかったものの、伊藤は自らボールを持つシーンも多く、最後まで伸び伸びとプレー。敵将のケサダHCにも「正直、(合流間もない斎藤との)2人が日本の弱点だと思っていた(が、違った)」と言わしめた。若き司令塔は「ゴール前のアタックが課題。取り切れなかったのは反省」と、貪欲さも大物だった。
《海外組が躍動》海外組3人が躍動した。南半球から合流したディアンズ主将は前半11分に同点につながるトライ。主将としてもチームを引っ張り「(冬の南半球から)夏の試合はしんどかった」と勝利の瞬間はピッチに倒れ込んだ。フランスから合流したSH斎藤はSO伊藤と巧みにゲームメーク。「まだ大学生なのにすごい」と伊藤を持ち上げた。リーチは「(HO原田を含め)海外組3人が凄かった」と勝因の一つに挙げた。
▽ネーションズ選手権 26年から偶数年に開催される新設の国際大会。欧州6カ国対抗戦の6カ国(イングランド、スコットランド、アイルランド、ウェールズ、フランス、イタリア)と南半球のラグビーチャンピオンシップの4カ国(ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチン)に日本とフィジーを加えた6カ国がそれぞれ別の半球の6カ国と7、11月の2カ月間に1試合ずつ対戦。各半球ごとの順位を決め、11月27~29日に順位決定戦を実施する。日本は30年の第3回大会までの参加が決定済み。下部大会としてネーションズ杯も同時並行で開催され、32年以降は入れ替えが行われる可能性がある。
